健康を脅かす「不眠症」への超シンプルな対処法 不眠症は「眠れない病気」ではない
「睡眠とは、日中に活動して疲労が蓄積した脳と体を、いったんクールダウンし、その間に、さまざまな体内調整を行うためのものです。何らかの理由で睡眠が足りなくなれば、体と脳は疲労回復と調整の機会を奪われ、それが続けば、認知症、糖尿病といった脳や体の病気を招きます」
こう話すのは、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所、精神生理研究部で部長を務める医学博士、三島和夫氏である。
忙しいビジネスパーソンにとって、睡眠は大きな関心事であろう。睡眠については諸説あり、一体何を信じたらいいのかわからない、というのが、多くの方々の疑問ではなかろうか。三島氏はこう解説する。
「睡眠は『何時間寝るべきか』といったものさしでとらえるものではない。問題とすべきは、睡眠のとり具合が、日中のパフォーマンスに、どう影響しているかです」
一口に睡眠障害といっても症状は多岐にわたる
不眠に陥る原因の一つに睡眠障害があるが、症状の現れ方から対処法まで、多岐にわたるという。
「いわゆる『睡眠障害』には、主要なものだけでも約80種類あります。たとえば、一口にがんといっても胃がん、肺がん、肝臓がん……とさまざまであり、それぞれ対処法が違いますね。睡眠障害も同様で、すべてを一様にして考えることはできません」
ではここから、約80種類の中でも悩まされている方が特に多い「睡眠不足」と「不眠症」について、最強の予防・対処の心得を学んでいこう。
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