健康を脅かす「不眠症」への超シンプルな対処法

不眠症は「眠れない病気」ではない

三島氏いわく、睡眠不足と不眠症はまったく別物だという。

睡眠不足は、睡眠のために寝床に入る時間が確保できないという問題です。一方、不眠症は、睡眠時間は確保できるが寝床に入っても眠れない状態です

不眠症状には大きく分けて、寝つきが悪い『入眠障害』、夜中に目が覚める『途中覚醒』、早朝に目覚めて二度寝ができない『早朝覚醒』の3つの症状があるという。しかし、それぞれ数値的な国際基準はない。

「つまり本人が、たとえば『寝つきが悪くて苦しい』と苦痛を感じていれば、それが『入眠障害』なのです。ちなみに、寝つきが悪いときに羊を数えるというのがありますが、羊が何匹になったかを気にしはじめると、自分の不眠がどれだけ重症であるか毎晩確認する作業を行っているのと同じで、逆に、ますます眠れなくなってしまいます

不眠症とは「眠れないことを気に病む病気」

一般的に、不眠症は「眠る力が衰える病気」と思われがちだが、「厳密には違う」と三島氏は指摘する。

「確かに不眠症は大きなストレス、痛みやかゆみ、うつ病など原因があって起こることが多いですが、大部分の患者さんではレジリエンス(回復力)が働いて眠る力が戻ってきます」

基本的に眠る力はあるのだが、それを上回る覚醒力が働いている状態が慢性不眠症。この覚醒力はストレスや不安で高まることがわかっている。実際、不眠症患者の大部分は毎日眠れないのではなく、眠れる夜と眠れない夜が混在しているという。

ところが、いったん不眠を経験すると、眠れない夜に注意が向いて強い恐怖を感じ、覚醒力が高まることでさらに不眠症が悪化してしまう。その意味では、不眠症は「眠れない病気」ではなく、「眠れないことを気に病む病気」といえるという。

仮に、『床について寝つくまでに1時間かかった』という場合、それでも翌朝、『よく眠れた』と感じ、日中のパフォーマンスにも悪影響がなければ、不眠症とは言えません。逆に『寝つくまでに1時間もかかってしまった。全然、眠れていない』と苦痛に感じ、日中のパフォーマンスも低下していたら、不眠症ということです」

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