こういったグループワークは、各企業が実際の業務に即して練り上げたものが多い。企画立案を行う内容であれば、まとめあげたプランを大勢の就活生・社員の前で発表しフィードバックが得られる。それは社会人でもなかなかできない体験だ。「内容に興味があるからとりあえず体験しよう」という気持ちでも参加することも良い経験になる。
また、本番の選考では、グループワークを課題に出す企業が増えており、予行演習にもなる。さらに、多くの学生の中で、自分の相対的な位置がわかり、社員の評価も得られるメリットもある。
プロジェクト型のインターンシップも1日で完結する短期のものが大半だが、5日間や1週間程度の長期にわたって、実施しているものもある。また就業体験や、施設見学、座談会等とも組み合わせている場合も多い。
夏休みは長期で就業体験できるインターンシップを
(3)仕事体験型
プロジェクト型がチームワークの醍醐味と難しさを学ぶものならば、実際の職場に行ってより個人に近いところで仕事を学ぶことができるのが、この仕事体験型のインターンシッププログラムだ。
体験といっても、職場見学とさほど変わらないものから、「ボスのカバン持ち」(あいおいニッセイ同和損害保険)のように、営業先などに同行してトップの考え方や業務や商品を学ぶもの、社員と同じ状況を再現するロールプレイング、さらにほとんど配属に近いものまで幅広く存在している。
たとえば、ファスナー大手のYKKは、夏と冬には合宿型(2週間)、秋には通勤型(10日間)で、それぞれ職場受入型のプログラムを実施しており、長期間にわたって濃密な職場体験ができる。
このタイプは、職場の雰囲気や仕事の流れを実際に見ることができるので、志望度が高い企業なら参加した方がいい。日程が長い場合、現場の社員と交流を深めたうえで、自分がその会社にマッチするか確かめることが可能になるし、選考に臨む際にも具体的な志望動機をインターンシップの体験からつけ、熱意を持って伝えることができるようになるだろう。
ではどのタイプのインターンシップに参加するべきなのだろうか。
夏休み期間はまとまった時間がとりやすい時期なので、プロジェクト型・仕事体験型のインターンシップから、5日間以上の比較的期間が長いものにぜひ参加してほしい。
こういった長期のインターンシップは、受け入れる会社側にとっても、プログラムを企画したり、多くの担当者を配置したりと、負担が大きい。それだけの労力を払うのだから、それに見合った成果を得たいと思う企業は少なくない。具体的には、自社にマッチする学生に会って採用に結びつけたいという考えだ。こうした、長期間のインターンシップを行う会社は、単位認定される産学連携のケースなどをのぞき、選考を兼ねている確率が高い。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら