人と寝具の意外と知られていない長く深い縁

蘊蓄100章で綴るその役割と歴史

人は寝具がないと生きていけません(写真:Milatas/iStock)
モノ情報誌のパイオニア『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス社)と東洋経済オンラインのコラボ企画。ちょいと一杯に役立つアレコレソレ。「蘊蓄の箪笥」をお届けしよう。
蘊蓄の箪笥とはひとつのモノとコトのストーリーを100個の引き出しに斬った知識の宝庫。モノ・マガジンで長年続く人気連載だ。今回のテーマは「寝具」。あっという間に身に付く、これぞ究極の知的な暇つぶし。引き出しを覗いたキミはすっかり教養人だ。
この連載の一覧はこちら

01. 「寝具」とは、人の就寝時に用いる道具の総称で、布団やベッド、タオルケットや枕などのことをいう

02. 寝具は睡眠の際に外気によって奪われる熱を遮断して暖かく、また害虫などを妨げて快適に眠るためのもの

03. ヒトは本来、熱帯~亜熱帯にかけての気温に即した身体構造をしている

04. 目覚めているときは身体の恒常性維持を行う自律神経の働きである程度、体温調整が効くようになっている

05. しかし就寝時になると自律神経の働きが鈍り、体温調整が難しくなるため寝具が必要になったと考えられる

06. 霊長類でも一部の種族にみられる行動様式だが、ゴリラは就寝前に葉を使用して寝床を作ることで知られる

07. 人間のように専用寝具を持っているわけではないが、周囲の草木を利用し毎晩新しい寝床を作りそこに眠る

古代人はどんな寝具を使用していたのか

08. 人類発祥の地といわれる南アフリカのシブドゥ洞窟では約7万7000年前の布団の化石が発見されている

09. 殺虫成分のある芳香植物の葉を何層も重ねたマット状のもので石器時代の人類が使用していたと思われる

10. 研究を率いるウィットウォータースランド大学のリン・ワドリーによると、マットの高さは約30cm前後。

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11. またサイズは最大2平方メートルもあり、一家全員が寝られる広さを備えていたとみられている

12. さらに古代人はこれらのマットのみならず虫除け効果のある植物で作った上掛けも使用し害虫を避けた

13. 上掛けに使用されたのはシナクスモドキ属の一種の葉で、洞窟暮らしの害虫対策に一役買った可能性がある

14. これらの寝具は快適で長期使用に耐えうるものだったが居住環境維持のために定期的に焼いた痕跡も残る

15. 現在、我々が使用するベッドの原形と思われるものは、紀元前3200年のエジプトで誕生した

16. 植物の蔓葉の筋などを使用し、それをメッシュ状に編んだ床板を持つベッドで多くの埋葬品や壁画にも残る

17. そのベッドの特長は枕止め用のヘッドボードがなくフットボードのみで、枕代わりにヘッドレストを使用

18. まだマットレスの形態はなく、動物の革やたたんだ衣類を代わりに使用していたと推測されている

19. 枕の発生でヘッドボードが生まれるのはメソポタミア、バビロニア、アッシリア、フェニキア時代のころ

20. 当時のベッドは日中は長椅子として兼用され、古代ギリシャでもそのような使用法がポピュラーだった

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