デキる人は「寝る・風呂・歩く」を怠っていない あの「イエスタデイ」は夢から生まれた

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夢からインスピレーションを得る(写真:AnaBGD / iStock)
2014年3月、「ハフィントンポスト」のシニアライター、キャロリン・グレゴワールが書いた1つの記事が爆発的ヒットとなった。そのタイトルは「創造性の高い人がやっている18のこと」。クリエイティブ思考の人々の習慣を探ったこの記事は瞬く間にシェアされ、フェイスブックの「いいね!」は50万にものぼった。
このことは、効率化や生産性向上ばかりが議論される時代において、創造性の重要性を改めて認識させる契機となったと言える。この記事の基となった研究を行っているペンシルベニア大学の心理学者、スコット・バリー・カウフマンとグレゴワールの新著『FUTURE INTELLIGENCE これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣』から、実際にクリエイティブ思考を持っている人たちの習慣をいくつか紹介しよう。

ジョン・レノンは夢で聴いた曲を書いた

サルヴァドール・ダリは、自分の作品の多くは「手で描いた夢の写真」だと言っていた。よく知られる1931年の作品『記憶の固執』は、溶ける時計が登場する夢の風景を描いたもので、夢の中にいると、時間の概念がいかにあやふやになるかを表現している。

ジョン・レノンはある晩、夢に見た情景を基に、『夢の夢(#9 dream)』という曲を作った。夢のなかで聞いた、「アー、ボカワラ、ポッセ、ポッセ」というわけのわからない言葉を、その曲のコーラスに使いさえした。

夢にインスピレーションを得たビートルズのメンバーは、レノンだけではない。ポール・マッカートニーは、『イエスタデイ』――音楽史上最もカバーされた曲――は、1964年のある晩の夢で聞いたメロディから作った、と述べている。

マッカートニーは語る。「目が覚めると頭の中でメロディが流れていた。『こんなメロディ知らないな……いや、もしかしたら知っているかも?』。ジャズみたいなメロディだった。ピアノに直行してコードをつけ、忘れないようにしてから、友人たちに聞いて回った。『この曲知ってる? なかなか良いメロディなんだけど、僕が作ったわけじゃない。夢に出てきたんだから』」。

このように、夢にインスピレーションを得る芸術家は多い。たいていの人は、眠りにつくと脳のネットワークの外界への注意に関する部位が働かなくなり、代わりに、より深部の個人的な思考や記憶をしまっている部位が活性化する。

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