「AI」だけでは未来は創れないといえる理由 技術が進歩しても敵わない人間だけの能力
株式市場のように市場参加者の「相場観」が世界中のニュースの影響を受けやすいものについては、ニュースにより「相場観」が一変することが多い。そのため、過去と未来の「値動き」の相関は極めて低く、「再現性」を担保しづらい。
AIは、リーマンショックのような過去と未来の「再現性」を断絶する出来事には、極めて脆弱である。
以上から、現状のAIは主に「過去のデータを学習でき、再現性の高い領域」という特定の領域を代替するのに適している。これらは「特化型AI」と呼ばれ、いわゆる「作業」を自動化するには十分な能力である。
一方で、世の中の人々が「AI」と聞いて想像するAIは「汎用型AI」と呼ばれ、特定のタスクに限定せず人間と同様の、あるいは人間以上の汎化能力を持つとされる。知性をも機械化し、独自進化を遂げ、人間を遥かに超越する存在となると言われるが、実用化までの道のりを考えるとまだまだ「夢物語」と言えよう。これらは「シンギュラリティ」と呼ばれ、世界中の専門家の間でその可否が議論されている。
未来を創るのは誰か?
テクノロジーが日々進歩し、未来への再現性が低くなっている今、誰が未来を創るのか。
未来を創る原点は、「発明」や「破壊的イノベーション」と呼ばれる革新にある。これらは「はじめて」の発見や事象なので、当然AIで創り出すのは難しい。これらを創れるのは、歴史上を振り返っても私たち人間だけだ。
では、なぜ「人間だけ」がこれらの革新を生み出せるのか。
それは、そもそも私たちの考える「より良い未来」自体が、私たち人間の「欲求を満たす体験」の集合体であり、そこでは「人間の欲求を満たすサービス」が良いサービスと定義されるため、結局は「欲求」を持っている人間にしかデザインできない、というシンプルなロジックだ。
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