日本人は「マイナンバーの活用」で損している 北欧で起きているイノベーションに学ぼう
IoT(Internet of Things)、人工知能(AI)、ロボットが普及する中、社会のあり方が根本から変化しつつある。そこで日本政府は、デジタルデータの活用を前提とした人間中心のスマート社会として「ソサエティ5.0」という概念を提唱した。
「ソサエティ5.0」の実現に向け、今後は、個別企業にとどまらず、産業や社会全体での利益を高めるために、データ連携・共有の仕組みを変革することが重要な課題になるだろう。しかし、日本はデジタル社会の構築で世界から後れを取る。
マイナンバーでかえって負担増
日本は2016年、デジタル社会の実現に向け、マイナンバー制度を創設した。これにより行政事務や手続きを効率化し、間接コストを削減できれば、教育や医療などの直接的なサービスへ予算を振り向けられると考えられる。だが現実は、書類の郵送で紙の処理の増加を招き、個人や企業の負担を増やしている。
個人や企業がより創造的な活動や仕事にエネルギーを注げるようにするためにも、マイナンバーを活用した効率性の追求は重要である。また、同様の観点から、自治体ごとに個別ばらばらに構築されてきたITシステムの共通化に向けた動きも加速させるべきだろう。ITによる効率化を目指す時代は終わったという言説もあるが、日本においてはまだまだやるべきことがある。
個別の企業や部門に最適化された固有のITシステムはすでに時代遅れとなりつつある。「ソサエティ5.0」では、組織を超えたデータの連携・共有がイノベーションの源泉となるので、それを促すようなIT活用がきわめて重要になる。
マイナンバーの活用とイノベーションは結び付かないように見えて、実はとても深い関係にある。北欧の取り組みを参照しながら見ていこう。
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