外資コンサルを辞めたほうがいいですか?

キャリア相談 【Vol.21】

質問者の方は、下記の選択肢を考えていらっしゃいます。

①同業のコンサルティング会社で修行を続ける

②上場した企業(世間的にはベンチャー)で、ある程度枠が定まった事業企画に就く

③未上場かつ50人以内くらいの会社(いわゆるベンチャー)で幹部(役員)を目指しつつ、未整備ではあるが事業企画系の仕事に就く

いつも同僚に「結論から言ってください。そして理由をインパクト順にナンバリングしてください」とか言っているので、結論から言います。③です。

①はないです。コンサル、特に戦略系は1回行けばいいと思います。質問者の方が名前の通った外資系戦略ファームに入れたのであれば、地頭は十分かと推察いたします。プロジェクトにアサインされない期間があったことが、ファームのせいか、質問者のせいかはわかりませんが、「マグロ」の親しい仲間であるプロフェッショナルファームの人間は泳いでないと、アサインされていないと死んでしまいます。最近、どのファームも忙しそうなので、ちょっと最初のフィットが悪かったのかもしれません。

コンサル・バンカーの「30歳くらい問題」とは?

戦略系で1年近く過ごされたのであれば、イシュー出し、仮説思考、スライドコミュニケーション(メッセージの洗練)くらいは学び、他人の2倍考えて2倍働け的な「お前、プロだろ」ポリシーは身に付いたかと思います。もしそうであれば、ファームを移っても戦略系なら一緒です。ファームのパートナー(共同経営者)を目指すような気持ちがないならば、余計なコストなのでやめましょう。

コンサルや投資銀行(バンカー)における30歳くらい問題というのがあります。新卒から20代くらいはエクセルバリバリ、昨日の夢にも人間じゃないほうのモデルが出て来て、という世界での優劣が生き残りを決めます。

その後は必要とされるスキルセットがかなり変わって、モデル(人間じゃないほう)の対話から、西麻布の個室で経営者に「いいこと」が言えるかに比重が移ります。残念なのは、経営者の心をつかめる営業力のある人が、ジュニアのときに定量分析に強いとはかぎらないことです。分析力と営業力の両方がそろわないと、エスタぶったファームではなかなか上には行けません。

戦略系コンサルにおける、P/Lドリブンなロジックの中での頭のよさ競争に向いていない場合は、早めに足を洗ったほうが賢明です。筆者がベイン&カンパニーにいた頃の同年代で、コンサルに今いるのは数名といったところです。期せずして、いちばんコンサルっぽくなかった筆者が、時を経てプロフェッショナルファームに戻ってきてしまいましたが、当時のありえないほど優秀だった同僚たちも起業をしたり、経営者になったりと、楽しく活躍しています。

この連載ではよく申し上げていますが、コンサルティングとビジネスは違います。道徳を説く人間が必ずしも道徳的でないのと同様に、経営を説く者が必ずしも経営者ではないのです。コンサルティングはコンサルティングビジネスであり、クライアントの期待値をマネジメントすることにフォーカスのあるビジネスです。「決めるのは最後はあ・な・た」というのがコンサルです。「わかるでしょ。決めなさいってこと。チャージしちゃうから」というのがアドバイザリーなのです。ちなみに、筆者が所属するIGPIはクライアントとの共同投資などによってこの一線を越え、クライアントとのリスク共有を模索しています。

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