むろん、プライベートもどんな感じでいたいか考えましょう。どこに住んで、どんなふうに暮らしていたいか? 4畳半に住んでMacBookAirだけで生きられる人もいるでしょうし、子供の教育環境に頭を悩ませている人もいるでしょう。キャリアの棚卸しと目標設定は、どの業界で、どのスキルで、どれくらいのタイトルで売るかです。
戦略系コンサルの先輩にはライフネットの岩瀬社長もmixiの朝倉社長もいることでしょう、朝倉氏は31歳です。私の元同僚には農業で起業したコロボックルの木村氏がいます。彼はベインのロンドンオフィスなどを経て農業に行き着きました。先輩たちは30代初めにいろいろな分野に飛び立っています。「もうちょっとコンサルで修業」とか、「やっぱり上場企業で経営企画」とか言わずに、上場する経験をしに飛び立たれてはいかがでしょうか?
しょせん、筆者のやっているようなビジネスでは人の生き死には関係ありません。日々のプレッシャーと言っても、小児科病棟のお医者さんの責任に比べたら、それはまるで屁みたいなものです。野心のある方は飛び立って、稼いで、ちょっと社会に還元すべきです。
優しさの主要成分は、「想像力」
質問者の方の「人の気持ちが痛いほどわかるようになりました」は、おカネを払ってでも獲得したいスキルです。筆者もひどい目にはたくさん遭っているので、「やっぱりケンカするのは勝てる相手だけだな」と思っています。少し話がそれました。調子に乗っていると刺されるのが世の常ですので、今の気持ちを忘れずに、心ゆかしく「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と、これから偉くなっていってください。もしも失敗したら、やり直しましょう。
マネジメントにおいて「人の気持ち」への洞察力は必須です。よくプライベートエクイティファンドにいる勘違いアソシエイトに足りないのは、人間への洞察力です。「日本には本当の資本主義が根付かない」と言う前に、オーナー経営者の気持ちのよい部分を想像できないと商売になりません。
プライベートでのエクイティにおいても、「モテ」の根源である「優しさ」の主要成分は「想像力」ですので、身に付けておいて損はしません。商売におけるマネジメントは経験と想像力によってアートにアウフヘーベンされます。
質問者の方は「もともとベンチャーを立ち上げていきたい」とのこと、20代後半ならまだ間に合います。早目に失敗して早目に起き上がりましょう。ご自分にビジネスアイデアがない場合は、ネットサーフィンでもして面白い会社を見つけて押しかけましょう。
筆者のwikiにも書かれていますが、筆者の場合、戦略系コンサル時代にネットサーフィンで見つけた渋谷の会社に行ったら、窓のない部屋に通されて色の黒いゴツイ人が現れて、開口一番「いつから来れるの?」と言われて、ビビッて「い、い、い、今です」とうっかり言ってしまいました。その会社は株式会社オン・ザ・エッヂ、後にライブドアと呼ばれる会社でした。
※ 塩野さんへのキャリア相談はこちら
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