年収840万円夫婦が家事代行を使うのは悪か 32歳共働き女性が悩む「罪悪感」と夫の不理解

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SさんやSさんのママ友に限らず、家事代行サービスを利用することは、贅沢だと思っていたり、罪悪感をもっていたりする人は少なくありません。別に迷惑をかけていないのなら指を差される理由などないはずですが、世間の目もまだまだ厳しいようです。結局、日本の家庭では専業主婦家が前提となってきたため、家事代行や育児代行(ベビーシッター)などを利用する文化がまだまだ浸透していないというのも背景にありそうです。

筆者としては、Sさんにむしろ家事代行サービスを積極的に活用し、家族との時間や自己投資の時間にあてるほか、ゆっくり休むという「心身回復の時間」も確保すべきと伝えました。FPとして相談に乗っているとわかるのですが、日本の多くの女性は「がんばり屋さん」が多く、1人で抱え込むことが多いのではないでしょうか。しかし、自分自身が幸せな状態にないと、仕事も家庭も心身も「負のスパイラル状態」に陥ってしまいます。Sさんのように「苦手な分野」をおカネで解決できるのであれば、大いに外注しましょう。思い切って他人の時間を買って、活用するのです。

「昔の常識」は「今の非常識」。柔軟な生き方を

実際、時代の変化とともに、世間の常識も変化します。今はまだ、家事代行サービスを利用することが高所得層に限られているのかもしれませんが、そのうち、代行サービスを利用することが普通で、むしろ利用していない方が非常識になるかもしれません。

Sさんの場合、夫の理解も進んでおらず、そこもつらいところでしたが、筆者が間に入り説明したところ、家事代行サービスを一度利用してみることになりました。Sさん夫婦はほぼ隔週で月2回、2万円を家事代行サービスに支払うことになりました。

さて後日、生活ぶりがどうなったかをSさんに聞いてみると、「前よりも夫婦円満になりました!」とのうれしい返事が返ってきました。やはり、Sさんに心の余裕ができ、夫に優しく接することができるようになったのがよかったのかもしれません。今では、夫も問題なしとまではいえないものの「疲れているんだから、ときどきは代行サービスを使ってもいいよ」と言ってくれるようになったとのことです。

代行サービスに限らず、ひと昔前に比べて、時代のニーズに応えたサービスはどんどん増えています。買い物の時間を大幅に短縮する「ネットスーパー」、ローコストでクリーニング・宅配してくれる「宅配クリーニング」、1時間1000円からできる「育児代行サービス」などなど。共働きの家庭はいろいろ試してみて、自分に合ったサービスを上手に取り入れていくといいですね。昔の常識にとらわれず、ぜひとも柔軟に生きていきましょう。

頼藤 太希 Money&You 代表取締役、マネーコンサルタント

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よりふじ・たいき / Taiki Yorifuji

(株)Money &You 代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に創業し現職へ。Webメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通してお金の情報を日々発信中。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『60歳からの新・投資術』(青春出版社)など書籍90冊、累計160万部超。日本年金学会員。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。

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