日本人を不幸にする「会社員至上」の生き方

橘玲×湯山玲子「人間いつかはフリーになる」

「人間みんないつかはフリーになる」(撮影:七咲友梨)
バブルで余裕があった1980年代は特別であり、今は当時のような冒険はできないと言われるが、本当にそうなのか? 『80’s』で波瀾万丈な半生を綴った作家・橘玲氏と同世代の著述家・湯山玲子氏が語るこれからの日本人の生き方。80年代の自由な空気を知っているからこそわかることがある。

フリーエージェントとして働くことは怖くない

橘 玲(以下、橘):『80’s』を書いて思ったのは、僕はもともとサラリーマン体質じゃないということです。大きな会社に入って定年まで働こうっていう発想がぜんぜん理解できない。「(ソ連のアフガニスタン侵攻で)就活しても無駄」といわれて、すぐにあきらめちゃったというのは、もともと向いてないと思っているからなんですね。

それで新橋の場末の出版社に入ったんですが、その頃の出版社は“落ちこぼれたエリートの吹き溜まり”。みんな若かったし、わけわからないことをやっていた。そんな中から、が面白い人たちが出てきた。

湯山 玲子(以下、湯山):会社中心の日本式システムって、そういう人たちを絶対に潰しますからね。そういう人たちは「会社が儲かること」のアイデアや実行力があるのに、システム内部の「儲かることよりも自分の出世」タイプによって無意識に排除されていくという。

政権が打ち出した働き方改革は、ある意味、画期的ですよ。橘さんのおっしゃるごとく、あれが施行されたら、旧来の会社システムは打撃を受ける。日本人の大半は変化を良しとしないでしょうが、私が見知っている多くのサラリーマンの消耗を見るにつけ、抜本的な改革は必要だと思います。

:いい歳の大人なんだから、自分の働き方ぐらい自分で決めればいい。日本人はみんな、仕事を苦役だと思ってるんですよ。だから「苦しむ時間を短くしましょう」という話になる。大事なのは“どうやったらもっと仕事を楽しめるのか”なのに、そういう発想がまったくない。それが日本のサラリーマンカルチャーですね。

僕は最近、「これからフリーエージェント社会が到来する」っていう話をしてます。組織の中にいると人間関係がどんどん大変になっていく。専門職で夫婦共働きなら家計の収入も安定するし、必死になって働く必要もない。こうしてアメリカではフリーがどんどん増えてるんですけど、日本だとそういう発想って全然わかってもらえないですよね。

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