日本人を不幸にする「会社員至上」の生き方 橘玲×湯山玲子「人間いつかはフリーになる」

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湯山:失敗からのリカバー力やノウハウこそ、生きていくための最大の武器なのにそれを持つ機会がないというのは、かなりマズい。自著でもよく語っていることですが、第一歩は“自分の主人公感”を取り戻すということじゃないですかね。自分があるから政治があるし、自分が動き回れるためにおカネというガソリンがいる。人間はもちろん、何らか他人や共同体に依存して生きている動物ではあるけど、滅私依存かつ思考停止でラクさを取るのは危険だと肝に銘じる。

「みんないっしょ」の強迫観念から抜けてみる

:湯山さんと共通してるのは、嫌なことをやったことがないことですね(笑)。好きなことだけできるわけではないんだけど、嫌なことをやらずに生きていくにはどうすればいいかを、僕はずっと考えてきました。

「嫌なことをやったことがない」(撮影:七咲友梨)

たとえば、日本はフリーの競争率が低い。なぜなら、賢い人はみんな会社や役所に閉じ込められているから。ちょっと目端が利く人だったらフリーでうまくやっていけるはずだし、それに気づいて成功している人もたくさんいます。仕事も人生も苦役だと思っていたら、「何のために生きてるの?」ってことになる。なにもかも思いどおりにできるなんてことはありませんが、だからといって上司のパワハラやセクハラに耐える必要なんてない。嫌なことをやらずに生きていく方法を真剣に考えれば、道は拓けると思います。

湯山:「出し抜く」というセンスを磨くのも手ですね。「みんないっしょ」の強迫観念から抜けてみる。目標を手にすることの最善最短距離というのは、案外手つかずにあることのほうが多いんです。私のキャリアに最近、ファッションデザイナーというのが加わりましたが、それも一種の「出し抜き」でしょう。しかしながら、その「目標」さえもが、「みんなが良いとする立場や地位」となってしまい、またも「みんないっしょのオバケ」に取り憑かれてしまう、という。そのオバケを退治することが重要なんですがね。

『80's エイティーズ ある80年代の物語』(太田出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

:日本ってゆるい社会だから、“好きをマネタイズ”しようと思えばいくらでもやりようはあります。そこに気づけるかどうかです。独立するのが不安だと言ったって、人間みんないつかはフリーになるんですよ。60歳になったら、定年という強制解雇が待ってるんですから。そう考えれば、どのタイミングでフリーになるかを決めるだけの話で、人生の一大事ってわけじゃないんです。

日本は先進国の皮をかぶった前近代的な身分制社会で、日本人の幸福度を上げるには、男性を会社から、女性を家庭(子育て)から引き離さなければならない。それをずっと言ってきましたが、最近になってようやく耳を傾けてもらえるようになりました。日本社会が大きく変わるのはこれからなんでしょうね。

(構成:中島 晴矢)

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