ハラスメント指摘のやりすぎで会社は壊れる

このままいくと世の中が窮屈になってしまう

藤野:でも、スマホで調べてみたのですが、本当にハラスメントって多いのですね。ビジネスパーソンがかかわりそうなものだけを挙げると、アルハラ、テクハラ、カラハラ、スモハラ、テクハラ、エイハラ、スメハラ、エアハラ、ソーハラ、パーハラ、マタハラ、カスハラ……。う~む。

中野:なんでもハラスメントにするのはゆきすぎだと思いますよ。飲酒の無理強いはハラスメントですが、そのうち「飲みに行かない?」って誘うこと自体がハラスメントだと言われかねない。そうなったら、誰もコミュニケーションをしようと思わなくなるでしょう。

確かに福田淳一前財務事務次官の行動はセクハラだったのかもしれませんが、あれを機に、なんでもハラスメントだなどという拡大解釈が横行したら、経済は確実に停滞します。些細な言動がハラスメントで訴えられるような時代になったら、人々の行動は萎縮しますよ。グローバルでも、こんな流れが一段と深刻になっているのでしょうか。

藤野:「♯Me Too」は世界的に話題になっていますが。

中野:渋澤さん、実際のところアメリカはどうなんですか。

日本は「ネンハラ」がひどい!?

渋澤:なんでもかんでもハラスメントに結びつけるようなことは、少なくとも私自身は、見たことがないし、経験したこともありません。セクハラ(sexual harassment)やパワハラ(power harassment)という言葉として存在して社会で使われていますが、今、藤野さんがスマホで調べてくれたように、ハラスメントの種類が30以上もあるというのは、メディアなどが作った言葉遊びのようなものも中にはあるでしょう。ちなみにアメリカの場合、ハラスメントよりもディスクリミネーションのほうが、社会的に根深い問題であると認識されていると思います。

中野:嫌がらせではなく差別ですね。アメリカは多民族・多宗教国家だから、差別は非常に深刻な社会問題ですよね。もちろんハラスメントはいけないことですが、このように、ハラスメントが言葉遊びのように使われると、本質を見誤る恐れがあります。

渋澤:私が(幼少期から大学までアメリカで過ごし)日本で就職したとき、一番理解できなかったのが、上下関係でした。実力で上に立つならわかるのですが、生まれた年齢が1年早いというだけで先輩風を吹かせる人っているじゃないですか。あれ、まったく意味不明。これもハラスメントみたいなものじゃないですか。年功序列ハラスメント。「ネンハラ」(笑)。

中野:年功序列を重んじる日本企業の縦社会に通じるものがありますね。

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