株主を重視する経営者が明らかに増えた
渋澤:日本って、テレビのニュースを見ていると、大手企業の社長さんが出てきて、頭を下げてばっかりですよね。東芝は不正会計問題以降も、さまざまな問題が噴出していて、決算もうまくまとめられない状態だし、アスクルの物流倉庫は火災に見舞われるし、最近だと、てるみくらぶの倒産もあったし。こんなに社長が頭を下げる場面ばかりテレビで放送されると、社長の威厳がどんどん低下してしまいます。
中野:まあ、社長は頭を下げるのが仕事というところはありますけれどもね。
渋澤:ちょっとむちゃぶりですが、社長は頭を下げてばかりいるけれども、日本企業(東証1部)のROEは8%を超えて徐々に上がってきています(笑)。
藤野:資本コストを超えてきましたね。伊藤レポートで注目されたROEですが、このポイントは、ROEを8%以上にすることよりも、持続可能な成長を続けられるかどうかという点が大事なのです。
ROEは数ある指標のひとつですが、それが改善しているのは、日本企業のファンダメンタルズが良くなっているわけで、そこは評価できます。企業訪問などをしていても、3年前に比べて株主を重視した経営をしていることに気づきます。これはポジティブな側面ですね。漢方薬的な効果なので、劇的に大きく変わるわけではありませんが、徐々に変わっていくものです。
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