「五月病」にかからないためにはどうするか 毎月の給料は「苦役」の「我慢料」ではない

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「五月病」にかからないようにするには、「仕事の本質」を早く知ることだ(写真:Kou/PIXTA)

新入社員の皆さん、もう「五月病」になっていませんか? 社会人になって2~3カ月目。学ぶことばかりで、働くことの面白さが見えてこない、そんな微妙な状況にあるのではないかと思います。新人自身の問題もあるにせよ、五月病を引き起こす構造問題があるはずだ――。今回も、どうすれば「より良い働き方」ができるのかを、草食投資隊の3人に聞いてみました。

渋澤:今回もロイヤルホストの朝食会で3人集まっているわけですが、ここに日本の労働市場が縮図化されているという感を受けます。正面の入り口のところでアルバイト募集をしていますが、今の時給が1100円。徐々に上がってきている印象を受けます。

藤野:ロイヤルホストといえば24時間営業をいち早くやめました。昔、ファミリーレストランといえば、夜中に車で来て、夜明けまでおしゃべりしている若い人がとても多かったような記憶があるのですが、そういう時代ではなくなってきたのですね。

「時短」をすることが「働き方改革」ではない

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中野:だいぶ前に、あるファミレスでこの集まりをした時、事情はいろいろあるにせよ、「コックさんがいなくてコーヒーなどの簡単なメニューしか出せない」ってことがありましたよね。いよいよ人手不足が始まったかと、若干の戦慄(せんりつ)を覚えたことを覚えています。

渋澤:人が足りないって、現代の日本では初めてのことですよね。もちろん、戦後の集団就職やバブルの時も「人手不足」が問題化しましたが、あの時は日本の総人口が増えているなかでの人手不足。今回は、人口が本格的な減少傾向をたどっているなかでの人手不足ですから、深刻さの度合いがまったく違うと思います。

藤野:そうですね。その意味での労働力の供給不足は初めてですね。

渋澤:だからこそ、新しい働き方の基準をつくる必要があるのだと思いますが、今も仕事の評価基準が成果ではなく時間だから、どうしても時短ばかりが注目されてしまいます。それでは本当の働き方改革につながらないでしょう。極端な話、会社に行かなくても、きちんと成果物で評価されるような形にしないとダメですね。

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