日産が「EVレース」に本気で挑み始めた事情 フォーミュラEに参戦を決めた意義

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今年3月のジュネーブショーに出展された日産のフォーミュラEマシン(写真:日産自動車ニュースルーム)

電動化時代は確実にやってくる

フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル不正問題以降、欧州の自動車メーカーは一気に電動化へ舵を切り始めた。中国でも政府主導でEV(電気自動車)の普及が進められており、先日開催された北京モーターショーでは東京モーターショーの比ではない数のEV/PHV(プラグインハイブリッド車)/FCV(燃料電池車)がお披露目された。

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そう、遠かれ近かれ電動化時代は確実にやってくる。

このような話をすると、「そう簡単に電動化できるわけがない」と反論する人もいると思うが、そもそも日本は最も早いタイミングでハイブリッド市販車(=電動化)を当たり前にした国であること、そして8年前の2010年に日産自動車が世界初の量産型EV「リーフ」を市販化し、これまで30万台以上を発売してきたことを忘れてはならない。

一般的に「電動化=環境対応/節約」とクルマ好き世代にとってはネガな部分ばかりが目立ってしまうが、本当は「電動化=楽しさ/面白さ」がある。動力源のモーターはエンジンなどの内燃機関と違って応答遅れが皆無で、アクセルを踏んだと同時に加速が始まる。

また、モーターは流した電気の量に比例して駆動力を発生するため、ゼロ発進時の加速の力強さは大排気量エンジン車並み。さらに言えば変速機が必要ないので変速のタイムラグやショックとも無縁……と、内燃機関で実現させることが難しいことを簡単に実現できるのだ。

もちろん、航続距離や充電インフラの問題はあるが、日産の2代目「リーフ」は内燃機関と同等とは言えないものの、一般的な使い方なら実用に困らないレベルまで来ている。

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