モータースポーツの世界でも電動化はますます重要になってきている。レースでいい成績を出すための知見、シビアなバッテリーマネジメントや温度管理などは、おのずと市販車にもフィードバックが可能となる。「現在、NISMOロードカーの中の電動化モデルは制御系チューニングが主ですが、いずれはその先もやりたいと思っています。また、フォーミュラEは一般公道を用いるためセットアップはすべてシミュレーションで行います。この技術も市販車開発に応用できるはずです」(片桐氏)。
ちなみにフォーミュラEは2014年から開催されているが、残念ながら日本での知名度は高いとは言えない。これまで日本メーカーが参戦してきたレースカテゴリーを振り返ると、必ず日本で開催されているが、認知度を上げるアイデアはあるのだろうか? 日産は行政との調整などの問題をクリアしつつ、日本での開催や日本人ドライバーの起用ももくろんでいるようだ。
モータースポーツを活用したマーケティングは懐古的?
その一方、若者のクルマ離れが騒がれる中、「モータースポーツを活用したマーケティングは懐古的なのでは?」という意見もある。
ただ、実はフォーミュラEの観客の平均年齢はF1の約55歳に対して約27歳と、圧倒的に若年層に支持されている。地方のサーキットではなく都会の真ん中で見ることができるのは、マーケティング的に面白い。従来のファンとは違うかもしれませんが、もしかしたら今後のモータースポーツの起爆剤になるかもしれない。
筆者は東京のお台場もしくは、日産のおひざ元である横浜みなとみらい地区が、コースレイアウトや集客などを考えると最も適していると思っているが、そんな日が近い将来やってくることを期待したいところである。
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