日産が「EVレース」に本気で挑み始めた事情 フォーミュラEに参戦を決めた意義

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そんな中、モータースポーツの世界も電動化がトレンドになっているが、それを最も体現しているのが、2014年からスタートしたピュアEVによるFIA世界選手権「フォーミュラE」である。

「フォーミュラE」の人気が高まっている(写真:日産自動車ニュースルーム)

マシンとタイヤ(ミシュラン)はワンメイクながら、パワートレインの独自開発が認められた2年目以降は自動車メーカーのワークスチームの参戦が増加。海外の主要メーカーはもちろん、新興EVメーカーも積極的に参戦している。コースは常設のサーキットではなく一般道を封鎖した市街地コースで開催。これは都市部の大気汚染対策やEV普及のアピールも含まれているそうだ。

当初は既存のモータースポーツとは違うルール/環境から批判的な意見もあったが、欧州の電動化の流れが強まるにつれて人気が高まっている。

フォーミュラEが大きく変わる

そんなフォーミュラEは今年末に開幕する第5シーズンに向けて大きく変わる。今年3月に開催されたジュネーブモーターショーで第2世代のマシンが初公開された。

エクステリアデザインはフォーミュラとWECのプロトタイプカーをミックスさせたような独自のプロポーションで、パッと見ると映画・バットマンの「バットモービル」を彷彿とさせるデザインだ。ちなみにドライバーの上部にはF1でも採用される鳥かごのような保護デバイス「Halo」を搭載。Haloの外周は光るようになっており、パワーモードやレース関連情報を示す役割も持つ。

パワートレインは250kWを誇るモーターと蓄電容量が現行マシンに対して2倍に引き上げられたバッテリーの組み合わせで、0→100km/h加速2.8秒、最高速280km/hのパフォーマンスと、現行マシン比2倍の航続距離を実現した。

実はこれまでのマシンはゴールまでバッテリーが持たず、レース中に車両交換の必要があった。それがEVの航続距離に不満を持つ人から「だからEVは……」と言われる原因だったが、第2世代のマシンはその必要がなくなったのだ。ちなみに車両最低重量は900kgで、そのうちバッテリーは385kgとなっている。

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