「男は30歳から」でもどん底にいた男の過去 ULTRA JAPANの立役者、小橋賢児の生き様

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でも僕は運がいいことに、どん底まで落ちていたから開き直れたんですよね。どうせだったら、バカな目標をつくって、病気も治しちゃおうと思った。それで立てた目標が、「バースデーパーティのオーガナイズ」と「人生最高の体で30歳を迎えること」です。

お金もないのにお台場のホテルのプールを貸し切って、後に引けない状況をつくりました。人を集めなきゃいけないから、パーティーをイベント化し、お金を払ってでも行きたいと思えるものにしようと。同時に体を治すために、筋トレや食生活の改善を徹底しました。

そうして3カ月後の誕生日、イベントは300人以上から申し込みがあって、僕はアスリートのような最高の体を手に入れていたんです。

四畳半もないような狭い家に住んでいて、お金もない。でも健康で、これだけ友達がいる。これまでと真逆の幸せに気付いたんですよね。お金はそれなりにあるけど自分をないがしろにしていた20代と、自分が完璧な状態にあって、友達がいる30歳。本当に大事なものに気付かされる30代のスタートでした。

(写真提供:ULTRA JAPAN)

今年で39歳になりますが、30歳からはあっという間だったんです。すぐに仕事があったわけじゃなかったし、お金も何もなかった。失敗の連続で、ここまでくるのは決して簡単ではなかったです。

誕生日のときのように、友達とパーティーを開いては人を呼んで、一つ一つの出会いを噛み締めて、大切にする。そうやって知り合った人の仕事を手伝っていったら、それがどんどん大きくなって、『ULTRA JAPAN』をはじめとしたイベントのプロデュースに繋がった。一個一個積み重ねていった結果が、今の自分をつくったんです。

行動は誰でもできる錬金術

振り返って思うのは、全ては行動からしか生まれないということです。20代の自分に伝えることがあるとしたら、「夢なんか考えてんじゃねぇ」ってこと。頭で考えていても、正直何も意味がない。行動は誰にでもできる錬金術で、できることや興味があることをやっていく中で、夢は生まれるんだと思うんです。

今は情報が溢れているから、夢の可能性と自分の現状を比べちゃうんですよね。そのギャップに劣等感が生まれて、試す前に「無理そうだから、やらない方がいい」と諦めてしまうことだってある。

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