「アレクサ漬け」の生活をするとどうなるか あらゆる対応機器を試してみた
音声ビジネスでは儲けのチャンスも大きい。RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、マーク・マハニーは最近、アレクサの台頭は、アマゾンのネットストアの売り上げ増に大きく貢献しうるとの予測を出した。言い換えれば、音声コンピューティングの夢を追う企業はアマゾンだけではないということだ。
音声アシスタント「グーグル・アシスタント」をサードパーティに提供しているグーグルも、アマゾンのアレクサに置いていかれるおそれがあることに気づいている。
アマゾン対グーグルがもたらすもの
この市場においてアマゾンは首位の座を保っているが、クリスマス商戦ではグーグルの機器がシェアを伸ばしたとみられる証拠もある(アップルは349ドルのスマートスピーカー『ホームポッド』を発売したばかりだが、あらゆるところで自社の音声アシスタントを使えるようにしようという狙いはないようだ)。
アマゾン対グーグルのプラットフォーム戦争は、ユーザーの利益にならない可能性もある。だが両社のプラットフォームは共存が可能だ。それぞれのサードパーティとの関係は非排他的であり、機器メーカーはアレクサとグーグル・アシスタントの両方に対応した製品を作ることができるのだ。たとえばソノスは、現時点ではアレクサのみに対応しているが、近々グーグル・アシスタントにも対応させる計画だ。
もっとも将来を考えた場合、これが最良の流れだとは言いがたい。次世代のプラットフォームを生み出すのは今の大手企業でなく、新興企業が主要技術をアマゾンやグーグルに依存しないで製品を作るほうが、ユーザーみんなの利益になる可能性もある。
だがそうした状況にはなりそうにない。アレクサがどこにでもある世界をアマゾンが目指すなら、グーグルも同じようなことを考えているはずだ。
(執筆:Farhad Manjooコラムニスト、翻訳:村井裕美)
© 2018 New York Times News Service
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