「アレクサ漬け」の生活をするとどうなるか あらゆる対応機器を試してみた
リンプによれば、アマゾンはそうした技術的限界を何とかしようとしているが、低品質な機器が生まれる背景に同社の戦略があることも認めた。「確かに、この(戦略の)結果として完全でない機器が世に出ることもあるだろう」と彼は言った。
アレクサのユビキタス性を推し進める戦略には長所もある。手近にあるさまざまな端末画面を使ってスマートフォンにアクセスできるようになったらどうだろう。どこにいてもテレビやノートパソコンや車から、スマホのアプリや連絡先やデータを同じインターフェースで利用できるのだ。
ハイウェーを走りながらアレクサを呼び出すと…
アレクサはクラウド上で動いているから、驚くほどデバイスの壁を意識しないで使える。わが家のエコーのアレクサはテレビやソノスのスマートスピーカーのアレクサとまったく変わらない。
家の外のデバイスでもアレクサは同じように機能する。フォード(アレクサ対応の車を出しているメーカーはいくつかあるが、フォードはその先駆けだ)から私は、アレクサ対応のピックアップトラック「F-150」を借り受けた。使い心地はと言えば、うれしいくらい驚きがなかった。
ハイウェーを飛ばしながらアレクサを呼び出すと、反応は家にいるときより遅かったものの、働きぶりは変わらなかった。私の音楽の好みも買い物リストも、私がインストールしたアプリもスマートホームサービスも、何もかもアレクサはわかっていた。
音声を介してコンピュータを常時使える未来の可能性を、これほど雄弁に物語るものはないだろう。どこに行っても自分のことをよく知るコンピュータと話すことができ、準備の手間もなくあれこれ世話を焼いてくれるのだ。