ベゾス氏側近が語る「アマゾンAI」発想の原点 AIスピーカー「エコー」に5000人超が携わる
米アマゾンが作り上げた最先端の“頭脳”がようやく日本にやってきた。アマゾンは自社開発のAI(人工知能)「Alexa(アレクサ)」を搭載したスピーカー「Amazon Echo(アマゾン・エコー)」を日本で発売する。当初は一部のユーザーに招待制で販売し、11月13日の週から出荷を始める。基本モデルの価格は1万1980円だ。
10月上旬にはグーグル、LINEの米日IT大手が相次いでAIスピーカーを日本市場に投入。アマゾンは3番手となったが、主戦場の米国では2014年にいち早く発売し、全世界で数千万規模となったユーザー数は他を圧倒する。
欧米での躍進の背景は。そして今後、アレクサー・エコーをどのように深化させるのか。アマゾン米国本社で自社デバイスの開発、販売までを率い、ジェフ・ベゾスCEOが直属の上司というデイブ・リンプ上級副社長に話を聞いた。
目指したのは、名作SFドラマの世界
――アレクサやエコーは、どんなビジョンから生まれたのか。
長期的なゴールは、(米SFドラマシリーズの)『スタートレック』に出てくる、どんな質問を投げかけても答えてくれるコンピューターを再現することだ。開発のきっかけになったのは、社内エンジニアへのある“問いかけ”だった。
アマゾンには長年磨いてきた2つのコア技術がある。1つめが「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」で培ったクラウドコンピューティングのノウハウ。そしてもう1つが、ネット通販(EC)のレコメンド機能で鍛えてきた機械学習の技術だ。これらを組み合わせることで、どんな新規事業を生み出せるか。そんな問いを(経営陣から)社内エンジニアへ投げかけたのだ。
すると、機械学習のエンジニア集団のメンバーがクラウドベースの音声認識サービスに着目し、エコーの前身となるプロトタイプを作った。これは非常にシンプルなものだったが、そこから開発チームが努力を重ね、今のように英語でも、日本語でもスムーズでナチュラルな発声をできるまでになってきた。
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