ベゾス氏側近が語る「アマゾンAI」発想の原点 AIスピーカー「エコー」に5000人超が携わる
――アマゾンのコアビジネスは小売業だ。エコーの発売後、アマゾンにおけるユーザーの買い物動向は変わった?
ショッピング機能の利用規模はまだ限定的。ただ、たとえばキッチンのシンクでハンドソープがなくなったと気づいたときに声だけですぐ注文できるなど、便利に使ってもらえる場面は必ずある。(エコーやアレクサは)ユーザーの生活を便利にする長い道のりを進み始めたばかりに過ぎず、今後も機能開発を続けていく。
求められれば、製品群を広げる
――米国ではさまざまなタイプのエコーを発売している。ディスプレーがあるものなど、製品ラインナップを広げている理由は。
開発を進める中で、特定の利用状況においてはディスプレーがあったほうが快適になるとわかった。たとえば、通信・コミュニケーションがそうだ。遠く離れたところに住む家族とすぐにビデオ電話でつながれるのは、すごく便利だ。
われわれはこういったケースがわかるとすぐに、ディスプレー付きの製品を作ろうと決めた。すべては具体的かつ必要なケースがあるかどうか。何か(新しい機能)を付けるには、説得力のある理由が必要だ。これはすべてのコンピューティングに通ずる考え方でもある。
――アマゾンはエコーに限らず、さまざまなデバイスを自社で開発している。ECの会社であるアマゾンが、自社でデバイスを手掛ける意義は何か。
ECはアマゾンの一側面に過ぎない。アマゾンにおけるデバイス開発は、ただガジェットやデバイスを作っているのではなく、全体の文脈、つまりデバイスと(それに付随する)サービスの両方を合わせて考える。ガジェットを作ることを核とする会社は、ユーザーへのアップデートのために毎年新製品を出す必要があるが、アマゾンはそうではない。
われわれが作っているのは、クラウドを通じて改良し続けられる製品だ。その先駆けがキンドルであり、とてもいい例だろう。「Fire TV(ファイアTV)」もそうだ。コンテンツやアプリケーションをどんどん増やすことで、より便利なサービスへと刷新していく。これがアマゾンのやり方だ。
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