ベゾス氏側近が語る「アマゾンAI」発想の原点 AIスピーカー「エコー」に5000人超が携わる
――音声認識という領域に可能性を見いだした理由は?
顧客に受け入れられるかどうか、正直に言って最初は見当もつかなかった。また、初期のプロトタイプは今のエコーとは似ても似つかないほど反応が遅く、うまく機能しなかった。だが使ってみると、部屋のあちこちから話しかけ、時刻や天気を聞けるというのは、なかなかうれしいものだと感じた。われわれは確かな感触を得た。
ある程度ベースの技術が固まってくると、次は何千ものアマゾン社員の家に試作機を置いて、情報の蓄積や開発を進めた。そうしてアレクサのパーソナリティが育つにつれ、「これはいける」という思いが強くなった。
音声操作は老若男女に易しいテクノロジー
――日本に先行してサービスを投入している欧米各国では、ユーザーはどのようにエコーを使っているか。
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すでに数千万規模のユーザーがいるため、使い方は実にさまざま。やはり音楽のストリーミングが最も人気の高い機能だが、朝、身支度を整えながら天気やニュースを聞くケースも多い。私個人は、キッチンタイマーやショッピング、(電球のオン・オフなどの操作ができる)スマートホームの機能も使っている。
いずれにせよ、声だけであらゆる操作ができるというのは、若い人はもちろん、テクノロジーに長けていないお年寄りにも使いやすいインターフェースだ。その点は今後もアピールしていきたい。
――今のアレクサやエコーには、まだ技術的に足りない点も多い?
スタートレックのコンピューターにはまだずいぶん隔たりがある。まず、もっと人間のように自然に会話できるようアレクサを進化させたい。自然言語処理の技術を磨き、人間の記憶の仕組みや、文脈のつかみ方をアレクサに教え込むことが必要。必ず成し遂げられると思っているが、時間はまだかかる。