日本人はナイキの躍進から何を学ぶべきか? 創業者フィル・ナイト氏への直撃取材を敢行
そう思いながら、問いを投げかけた。
「日本経済は必ず上向くと思っているし、楽観的だ。当時、私が最も尊敬していた企業はソニーだった。幸運にも盛田昭夫さんにお会いできる機会があったが、彼のことを起業家やリスクテイカーじゃない、などと言う人はいないでしょう。すばらしいビジネスマンやリスクテイカーが、今の日本にもいることは間違いない」
どんな国にもリスクを取っていく人が必ず必要だ
そして、「日本のビジネスパーソンや若い世代にメッセージを」というリクエストに、彼は、笑みとともにこう話した。
「“The only time you must not fail, is the last time you try.”(最後まで挑戦し続けろ【決して失敗してはいけないのは、最後に挑むときだけだ】)」
「これは、何十年も忘れない言葉です。かつてのアメリカもそうでした。学生の時はかつてないほど優秀なのに、社会に出るとリスクを取ることを怖がっていた。最初に失敗することを恐れていたんです。けれど、アメリカはそれを乗り越えてきました。その原動力のひとつがシリコンバレーだったかもしれないし、今は多くのリスクテイキングがなされている。どんな国も波を越えていくのだと思うし、どんな国にもリスクを取っていく人が必ず必要だ」
今回のインタビューでは、思いがけず、ナイト氏の“涙”も見ることができた。
その詳しいところは本編に譲るが、そのわけのようなことを彼はこう語っている。著書が1980年の株式公開で終わっている理由について話した時だ。
「最も語りたかったのは、初期の物語です。株式公開した後のことは、皆が知っています。本当に知ってほしかったのは、ジョンソンやウッデル、それにスメラギやイトーがどんな人だったかということです。彼らのことこそ、知られるべきなんです」
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら