これまでにないジャンルに根を張って、長年自営で生活している人や組織を経営している人がいる。「会社員ではない」彼ら彼女らはどのように生計を立てているのか。自分で敷いたレールの上にあるマネタイズ方法が知りたい。特殊分野で自営を続けるライター・村田らむと古田雄介が神髄を紡ぐ連載の第32回。
“工場夜景”という写真のジャンルがある。
文字どおり、夜分に工場の写真を撮る。こう言うととても地味な印象を持つかもしれない。ただ、小林哲朗さん(39歳)の写真を見ればきっと心が躍るはずだ。
SF映画のワンシーンのような“工場夜景”
煙を吐く巨大な煙突、複雑に絡み合うパイプ、チェスのコマのように並ぶさまざまな形状のタンクたち……。チープな表現だが、まるでSF映画のワンシーンのようだ。
小林さんは、工場以外にも、工事現場や廃墟など風景写真を撮っているが、どれもとてもかっこいい。
また小林さんの近年の写真には空中からの写真も目立つ。ドローンを使って撮影しているという。ドローンで写真を撮影する静止画のカメラマンは実は珍しい。
ぜひ話を伺いたいと思い連絡をとると、
「今度、大阪で下水施設の工事現場などの撮影をするんですが、ご一緒しませんか?」
と誘われた。
もちろん喜んで足を運んだ。
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