39歳「工場夜景」に鉱脈を見た男の痛快な稼業 元保育士はこうしてプロカメラマンへ転じた

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小林さんのドローンを使用した空中写真は非常に評価が高い。

小林さんがドローンで水処理場を空撮した写真は、Lurzer's Archive社発行の『200 Best Ad Photographers Worldwide 18/19』という本にて先鋭的な広告写真家として紹介された。8000人の中から、厳選な審査を通過した200人が掲載されるという狭き門だった。

ルーサーズアーカイブで選ばれた尼崎の写真(撮影:小林哲朗)

水処理場の写真は、尼崎市からの依頼で撮った1枚だ。

図らずも、故郷に錦を飾る結果になった。

「有名な自動車会社などの写真に並んで僕の写真が載っているのが嬉しいですね!! これを機に、海外からの仕事がきたら面白いなと思っています」

小林さんと話していると、本当に写真が好きだという気持ちが伝わってくる。

筆者は職業柄何人ものカメラマンに会ってきたが、こんなに素直に写真への愛情を感じる人は実は珍しいのだ。

「好きこそものの上手なれ」とは言うが、これだけ好きならうまくならないわけがないな、と思った。

オススメの撮影スポットは?

最後に、小林さんがオススメする、夜景工場スポットを紹介してもらった。

「西は、福岡県の苅田町にある三菱マテリアルが非常にかっこよいですね。まるで生き物のような躍動感がある建造物です。

東は群馬県の安中市にある東邦亜鉛という会社の工場がとてもよいです。山の斜面にペタペタと工場が張り付いている感じです。そういう風景は見たことがないから感動しました。工場の前に安中駅があります。交通の便が良いですし、駅自体が被写体としてもよいですね」

安中駅には東京駅から2時間前後で行くことができる。興味を持った人は、カメラを片手に電車に乗ってみてはいかがだろうか?

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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