子どもを叱り続ける人が知らない「第6原則」 「勉強のできる子」こそ見誤りやすい

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相手は、中1だから、体も大きくなっていると、その外見による判断のみで、精神的側面も成長しているはずだという錯覚が親にあるため、大人と思って話をしてしまいます。「もう中学生なんだから……」という言葉はそれを物語っています。しかし、相手は親が思っているほど大人ではなく、まだまだ子どもであることが多いのです。そうすると叱り続けるという現象が起こります。

では、このようなときはどうすればいいのでしょうか?

現状の精神年齢の水準で対応する

「子どもを実年齢で判断するのではなく、現状の精神年齢の水準で対応してあげる」といいでしょう。

つまり先ほどの例で言えば、「相手は中1ではなく、小学校3年生ぐらいと思って対応する」のです。

たとえば、幼稚園児にスマホを渡して、「○○時までよ!」と言っても、大抵はいじり続けますよね。ですから、通常は親が管理します(幼児にスマホを渡してやりたい放題というケースは通常ありませんが)。自由奔放にやらせるということはしませんね。これは極端な例ですが、相手は親が思うような中1ではないのです。小学校低学年程度と思って対応するのです。

つまりその中1の子どもは、「先を考えて行動できない」という状態であり、まだ自律できる段階ではないため、まずは保護者が管理し、そして子どもの精神的成長に応じて徐々に自律できるようにスライドさせていくようにするのです。

勘違いしてはいけないことが、お子さんの精神年齢が低く、幼くてもそれはデメリットではないということです。人間、さまざまです。成長もさまざまです。大器晩成という言葉もありますし、良い悪いという問題ではないのですね。もし良い悪いという問題であれば、幼い子は皆悪い子になってしまいます。良い悪いという問題ではなく、単に成長段階の問題なのです。さらに、成長も早ければ良くて、遅ければ悪いというものでもありません。その成長の段階に合わせて対応してあげることが重要なのです。するとその子はやがて、自信を持ち、“化けて”いく可能性があります。

柴田さんの場合、お子さんはまだ小学生程度の状態で、自律できていない段階だと思ってください。受験をして中高一貫校に通っていたとしても、だからといって精神年齢が高いとか、自律できているというわけではないのです。

そのように認識したら、子どもに対してどのように対応をするでしょうか。少なくとも今のような対応は取らないことでしょう。そして、徐々に自分で自分のことをやらせるという姿勢をとって、自己管理ができるようにしていってあげてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育専門家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4500人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、カフェスタイル勉強会Mama Cafe(累計1万3千人のママさん参加)、執筆、講演を精力的に行う。教育学修士(東京大学)。著書に『子ども手帳』『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』『子どもを育てる7つの原則』など国内30冊、海外13冊。音声配信Voicyでは「子育てランキング1位」の人気パーソナリティを務めている。

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