子どもを叱り続ける人が知らない「第6原則」 「勉強のできる子」こそ見誤りやすい

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【第6の原則】―子どもの精神年齢と実年齢は異なる

「精神年齢<実年齢」のケースもあれば、「精神年齢>実年齢」のケースもあります。これまで筆者が直接指導してきた3500人以上の小中高生はそれこそ、多種多様で、精神年齢と実年齢が一致しているほうが稀なぐらいでした。

「精神年齢」とはさまざまな定義があるでしょうが、この場合、「実際の年齢」に比べての精神的な幼さを指しています。そしてその幼さがいちばんよく表れるのは、「年齢相当の話が通じない」ことと「先を見通して行動できない」の2つです。

話がまったく伝わっていないケース

「精神年齢<実年齢」のケースとして、先日こんな話を聞きました。

スマホばかりに熱中し、四六時中スマホをいじる中高一貫の私立学校に通う中学1年生。夜も決められた時間を守れずにズルズルの状態です。そこで、夜の決められた時間が守れない点を親が説教しました。

:「今後どうしたらいいと思う?」

:「お小遣いなしでいい」

:「え? 全然意味違うよね。今、話しているのは、夜にずっとスマホばかりに熱中するから、どうしたらいいかを聞いているんだけど」

:「じゃ、勉強中の休み時間をなくす」

勉強中に休み時間があるとスマホをやるから、休憩時間をなくせば解決すると考えて発言したらしいのですが、今の話題とはまったく異なることは明白です。つまり、この子には、話がまったく伝わっていないのです。何度もわかりやすく話をしてもわかってくれないため、「大丈夫でしょうか?」という相談だったのです。

この例は、子どもの精神年齢の低さを表した典型的な例なのです。もちろん、発信する側の表現の問題ということもあるかもしれませんが、それとは異なり、わかりやすく話をしているのに、話が全然伝わっていないということは頻繁に起こります。さらにゲームやスマホばかりにハマる子は、「先を見通して行動できない」典型例でもあります。

もちろん、怒られたり、叱られたりしているときは、子どもは、叱っている親の感情だけを受け取り、話の内容が頭に入っていかないことが、往々にしてあります。しかし、それとは異なり、子どもの実年齢ほどの理解力がない、ということにこの根本原因があると考えられるのです。

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