北海道の男児置き去り事件は、事態を招いた保護者に強い批判が集まったが、同じ親の身としては色々と考えさせられるところがあった。悪いことをした子供に対して、「しつけ」をしなければならないという親の気持ちは世界共通のものだろう。しかし、正しいことを教えるはずのしつけが、いつの間にか「正しくない」しつけにすり替わってしまうことは少なくない。
確かに、今回のケースでは親の状況判断が甘かったのは事実だが、時に「デーモン」化する子供に対し、「プチッ」と脳の回線が切れる経験をしたことがない親はあまりいないのではないだろうか。
かくいう筆者も「プッツン」「カチン」「ドッカーン」の感情に悩まされてきた一人。どうしたら、間違った「しつけ」から脱し、「正しい諭し方」ができるのだろうか。今回は、「怒りまん延」時代を生き抜く知恵として、どなたにも役に立つ「怒り耐性の高め方」をご紹介したい。
母親が一方的に悪いのか?
「言うことを聞かない子を、一瞬でも置き去りにしたいという衝動に駆られたことはないか」と問われれば、筆者も否定はできない。突然癇癪をおこして、泣きわめいたり、反抗したり、子供はとかく思い通りにはならない。そんな時、聖人君子のように穏やかにふるまえればいいが、「じゃあ、ママは知らないから」と先に歩いて行ってしまう「プチ置き去り」も、「いい加減にしなさい」と怒鳴ってしまったこともある。
先日、読売新聞のお悩み相談コーナーに登場した女性の投稿がネット上で話題になっていた。相談者は高校生の娘と中学3年生の息子を持つシングルマザー。自分でしっかり勉強する娘に比べ、部活を辞めさせられ、ゲームばかりする息子に対する怒りが抑えられず、ケンカを繰り返し、ついには「こんなクズ、産むんじゃなかった」といった言葉を浴びせてしまう、といった悩みだった。
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