ティーンエージャーの脳は未発達で、親や本人が思っている以上に、「不完全」なものだ。彼が意図しているわけでなくても、「脳」が怒りを正当化し、人のせいにするように作用しているのかもしれない。このように、自分で想像して描いた「ストーリー」を「相手に対する思いやりのストーリー」に書き換えることで、怒りは和らげることができるものだ。
⑧ 相手を責めるのではなく、自分の思いを伝える
カッとなって、相手をなじる、傷つけることが怒りの最も恐ろしいカタチだが、相手を責めたてるのではなく、自分の気持ちを素直に伝える事の方がずっと説得効果は高い。
偏食の息子は、弁当に全く口をつけずに帰ってくることがある。「食べなさいよ」「なんで食べないのよ」と問い詰めても、弁解もなく、「うるさい」と言うだけ。そんなことをこぼしていると、夫が「君が○○○すると、ママはXXXという気持ちになるのよ」と諭してごらん、とアドバイスをくれた。
そこで、「□□くん、ママは愛情をたくさんこめて、毎日お弁当を作っているのよ。食べてくれないとママはそういう思いが受けてもらえなかったのかな、と思って、本当に悲しくなるのよ」と言ってみた。
そうすると、「あ、ごめん。分かった」と超素直な反応が返ってくるではないか。夫曰く、男性は人の気持ちが読めない人が多いので、「(相手が)こういう思いをしている」と伝えられると、びっくりして自分の間違いに気づくのだという。これは目から鱗の発見だった。
「怒り」を排除して穏やかに語ると効果絶大
以上の「実験」の結果、筆者の「ヒステリー体質」は劇的に改善された。「怒り」を排除して穏やかに語れば、素直に耳を傾けてくれ、「話し合い」もできるようになり、お互いのストレスもかなり軽減された。
とはいえ、息子は相変わらずの能天気だし、ずぼらぶりも大して変わっていない。とりあえず、「正しくないしつけ」から脱却するのが第一関門。次は、息子君のやる気をどう引き出すかが大きな課題だが、これは、ダメダメ部下の蘇生法スキルとして使えるに違いない。コミュ力修業を重ねることで、さらなるヒントを探していきたい。
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