21歳、後天的「発達障害グレーゾーン」の苦悩

強いストレスが症状を引き起こした?

適応障害に悩まされる堀内さんを見かねた両親は、ニュージーランドへの留学を勧めた。そして、高校2年生の10月にニュージーランドへ飛び立った。適応障害で体調がいいと言えない中、海外へ行くことに不安はなかったのだろうか。

「英語ができるわけでもないし、外国人とかかわった経験もなかったので、不安だらけでした。ニュージーランドに行ってからも、靴を履いたまま家に入ることやバスの乗り方の違いなど、そういう小さな文化の違いがストレスでした」(堀内さん)

当初は日本との違いに戸惑ったものの、徐々に堀内さんの適応障害は回復へ向かっていった。留学先では月曜から金曜までは学校、土日は休日という日本と変わらないスタイルだったが、下校時刻が15時頃で、17時過ぎまで授業があった日本とは違い、放課後自由に遊べたりのんびりできたりした。そして、だんだんと気持ちがポジティブになっていくのを感じた。

日本にいた頃は精神安定剤を服用し、カウンセリングも受けていたがまったく症状が良くならなかった。「海外で生活して習慣が変わったら、最終的に心の持ちようも変わったのかも」と、堀内さん。また、彼女にとってニュージーランドは生きやすかった。

「海外だと自分が『外国人』になります。そうすると現地の人は、自分とは違う異質の存在だという前提からコミュニケーションが始まるので、何か違和感が出てきても『この人は外国人だから違うのか』と、いい意味であきらめてくれる場合が多かったです。その点では楽でした」(堀内さん)

大学の講義を集中して聴けず、不注意が増える

1年半の留学を終え帰国後大学受験に挑み、翌年4月、大学に入学した。帰国当初は、空気を読まなければいけないという日本独特のプレッシャーが大きく、どの程度まで自分らしくいて、どの程度まで日本のコミュニケーションスタイルに合わせていけばいいのかという葛藤が生まれた。そして大学生になってから、ADHDらしき症状が出るようになったのだ。

「大学生になってから集中して講義を聞けなくなってしまいました。特に、講義が始まってからすぐは集中できず、読書したり寝たりしていました。子どもの頃にはそのようなことは特になかったと記憶しています」(堀内さん)

高校までの授業時間は50分だが、大学の講義は通常90分。筆者が「時間が長いせいで集中力に欠けてしまったのではないか?」と思い尋ねてみると、時間は関係なく、その講義に興味を持てるか・持てないかの問題だという。

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