「いろんなサイトや本を読んで調べていたら、アメリカの研究結果で『ADHDは先天的なものだけでなく、強いストレスにより前頭葉と扁桃体が萎縮した結果、ADHDのような症状が後天的に出る可能性も考えられる』と書かれていました。まだ研究中なので根拠は薄いですが、高校時代のストレスにより発達障害のような症状が出るようになったのではないかという仮説を自分なりに立てました」(堀内さん)
本連載の第1回となった「23歳、『発達障害』の彼が抱える生きづらさ」(2017年11月22日配信)でも紹介した、「BMC Psychiatry」に掲載されているMartin A. Katzman、Timothy S. Bilkey、Pratap R. Chokka、Angelo Fallu、Larry J Klassenらによるイギリスの論文「Adult ADHD and comorbid disorders: clinical implications of a dimensional approach」(大人のADHDと併存疾患:次元的アプローチの臨床的意義)にも、ADHDと前頭葉の働きは関係している可能性があると述べられている。
瞑想状態に入ると薬を飲んだときのような状態に
堀内さんの場合、あくまでも自己診断での「発達障害グレーゾーン」だ。専門の病院を受診することも可能だが、費用も時間もかかるため、診断を受けるかは検討中だという。しかし、診断をくだされなかったとしても、能力にアンバランスがあることは確かで、それによって社会生活が困難になることに変わりない。そのため今は、さまざまな情報をもとに、自分の認知の歪みや症状をどのようにカバーするかを自力で模索中だ。その方法の1つとして試しているのがヨガ。
「ヨガを始めて1年ほど経ちます。今は毎日ヨガ教室に通って、1時間ヨガをしています。ADHDの人は脳にいく血流が少ないので、それが脳の働きを低下させる原因だと読んだ本に書かれていたからです。
ヨガは『動く瞑想』と言われていて、難しいポーズを取ろうと集中しているときに瞑想状態に入ります。1時間くらい瞑想状態を継続すると、終わった後は頭がすごくスッキリするんです」(堀内さん)
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