1900年に始まり100年以上の歴史を誇るニューヨーク国際自動車ショーは、イースター休みに合わせて開催される。磔にされたキリストの「復活」を祝うこの行事は、春分の後の満月の次の日曜日と定められている。このため、NYショーは2017年が4月だったのに2018年は3月開催と、毎年日程が移動する、自動車メーカーにも取材陣にも厄介なイベントである。今年は3月28日から4月8日まで(現地時間)開かれた。
トヨタ自動車は例年NYショーには力を入れていて、自社ブースとは別の巨大なホールでプレスデーの朝いちに数百人のマスコミを集めて会見を行う。大手自動車メーカーは一つのモーターショーの開催に4億~6億円程度の予算をかけると自動車業界では言われているが、この会見のためにトヨタはさらに数千万円は上乗せをしていたのではないかと思わせた。
5代目となる新型「RAV4」
そんな凝った造りのステージに登場したのが、5代目となる新型「RAV4」だった。前年11月のLAオートショーで発表された「FT-ACコンセプト」に非常に近いスタイリングのクロスオーバーSUV(スポーツ多目的車)だ。
RAV4は現在、日本では販売されていないが、米国ではトヨタのベストセラー。販売台数は拡大を続け、2017年はとうとう40万台を超えた。そう、今やトヨタのベストセラーカーは「カムリ」でも「カローラ」でもなく、RAV4なのだ。ホンダのベストセラーが「アコード」でも「シビック」でもなく、クロスオーバーSUVの「CR-V」なのと相似形だ。
そして5代目となる新型RAV4は日本でも2019年春頃に発売されるらしい。面白いことにホンダもコンパクトSUVの「ヴェゼル」投入後、「CR-V」の国内販売を打ち切ったが、5代目に当たるCR-Vを今年中にも日本でも復活する見通しだ。米国のみならず、世界中で高まっているSUVブームが日本にも押し寄せていることを示している。
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