新型RAV4の「ダイナミック・トルク・ベクタリング AWD」の機構的詳細は発表されていないが、おそらくSH-AWDと似た仕組みではないかと推察する。
世の中には左右輪のトルクを独立制御できるといいながら、実はABS(アンチロック・ブレーキ・システム)機構を利用して内輪のブレーキをジワっとかけることで旋回性能を高める簡易型のシステムが多く、新型RAV4のようにメカニカルに左右のトルクを変化させる仕組みは少数派だ。ホンダのSH-AWDと同様に、前輪に対して後輪を増速させることで、スキーの外足加重のような後輪外側から旋回力を発生させる仕組みにしているようなので、走りにも相当期待ができる。
また、クルーズ時には後輪向けのトルク伝達を切ってしまう機構があるので、燃費への影響も最小限なはずだ。
メインマーケットは米国
日本で復活するといっても、RAV4のメインマーケットは米国だ。新型5代目RAV4のデザインを見てもそれは一目瞭然。台形に切られたホイールアーチや大きめのクラッディング、ウインドウ周辺に巡らされた多角形をモチーフにした角張ったプレスラインなど、米国の小型ピックアップのベストセラーであるタコマやSUVの「4RUNNER」という日本では販売されていない2車と共通した、ゴツゴツした力強い造形がそれを物語っている。
5代目RAV4のボディサイズは全長4595×全幅1855×全高1700mm。弟分にC-HRが登場したおかげで一回り大きくなるのではないかと想像していたが、その予測は裏切られた。全長はわずか5mだが4代目RAV4よりコンパクトになっているのだ。米国での兄貴分の「ハイランダー」や日本の「ハリアー」に遠慮してのことかもしれないが、結果的には新型RAV4が発表されたマンハッタンでも、キビキビと走れるであろうサイズに収まっていることは好感が持てる。
弟分のC-HRがSUVっぽいスタイリッシュクーペという位置づけに対して、5代目RAV4はソリッドでいかにもオフローダーらしい外観をまといながら、ファミリーユースにも使えるユーティリティを持っている。さらにはダイナミック・トルク・ベクタリング AWDで、外観からは想像もつかない高速旋回性能も備えるかもしれない。
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