トヨタ「RAV4」、2019年日本復活モデルの全貌 NYで披露された新型SUVは走りがスゴそう

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現行の4代目RAV4は、フロントグリルの下端を前方にせり出して傾斜したスラントノーズとつり目ヘッドライトの組み合わせにより、カローラやカムリと共通点が多い、乗用車然とした顔つきを持つ。対して、新型の5代目RAV4は「空気抵抗なんて関係ないさ」と言わんばかりの垂直に切り立った男性的でワイルドな顔つきを与えられている。

凝ったつくりのステージから登場した5代目RAV4(筆者撮影)

特にその末広がりの六角形グリルは、トヨタの「ハイラックス」を源流に持つ小型ピックアップの「タコマ」と同じ意匠で、いかにも荒地をグイグイ踏破しそうな面構えだ。タイヤは19インチに大径化。最低地上高を現行モデルよりも高くした。

5代目となる新型RAV4は、トヨタが「TNGA」(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」と呼ぶ、現行4代目「プリウス」やコンパクトSUVの「C-HR」、上級セダンカムリなどで先行している新しい設計コンセプトが採用された。筆者は新型RAV4には試乗していないので断定できないが、弟分にあたるC-HRには乗ったことがある。このコンパクトSUVはTNGAの採用により、走りの性能や質感の出来がとても良いことから、新型RAV4にも期待が高まる。

エンジンは2.5L直4エンジンが搭載される

エンジンはカムリと共通の2.5L直4エンジンが搭載されるという。これに8速ATが組み合わされる。ほかには2.5Lエンジンとモーターを組み合わせた、ハイブリッド4駆のE-Fourもある。機構的に注目なのは、ガソリン車の上級グレードに設定する「ダイナミック・トルク・ベクタリングAWD」だ。これは走行状況に応じて前後や後輪の左右駆動力を左右独立で制御できる新しい4WDシステムである。

外側の車輪に多くのトルクをかければ、車の旋回性能が向上する。極端に言えば戦車などのキャタピラー機構と同じ理屈である。

もともと、この考え方を初めて市販車に適用したのは、ホンダが1996年に発売した5代目「プレリュード」のType Sに装備されたATTS(アクティブ・トルク・トランスファー・システム)と言われる。これは今日、スポーツカー「NSX」やフラッグシップセダン「レジェンド」などに搭載される、4輪の駆動力を自在に制御する「SH-AWD」というシステムとして進化している。三菱自動車の「ランサーエボリューションIV」に採用されたAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)も狙うところは同様である。

次ページ「ダイナミック・トルク・ベクタリング AWD」とは
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