<3>相手に興味を持つ
アメリカ滞在中、筆者が恥ずかしがり屋を克服したいと、門をたたいたのはその名も「Shyness Research Institute」(恥ずかしがり研究所)だった。これはインディアナ大学サウスイースト校に設置されたれっきとした研究機関だ。ここの教授に教えられたのは、「自分がどう見られるのか」という意識を捨てて、「相手に対し、徹底的に興味を持つこと」。
「相手にどう思われているのか」という自分中心視点ではなく、「どういう人なんだろう」「何に関心があるのだろう」などと興味の中心を相手に移すことで、過剰だった自意識が薄れていくというのだ。つまり、自分に当たっていたスポットライトを会話の相手に向ける、これだけのことだが、このメソッドも劇的な効果を発揮した。
「相手に自分はどう見えているのかな」「退屈だと思われているんじゃないかな」といったように、自分に対する相手の評価を心配することから解放された。相手に焦点を合わせる中で、詮索ととられることなく、上手に会話の流れを作るために重要なのは、「質問力」だが、これについては、今回はとても書ききれないので、折を見て、掘り下げてみたい。
<4>目は口ほどにものを言う
エグゼクティブ向けのプレゼンテーションやスピーチのコーチングを本業としており、企業トップや政治家などのコミュニケーションを日常的にウォッチしている筆者だが、常々、「ここを変えれば、プレゼンが劇的にうまく見えるのに」と思っているポイントがある。
それが、アイコンタクトだ。日本人はよく頭を下げるので、出会いのタイミングで目を合わせないこともよくあるが、アイコンタクトは、人の印象を大きく左右する要素だ。アイコンタクトをした人はそうでない人に比べて記憶に残りやすい、目の合った人の言葉は信じやすい、などさまざまな科学的実験により、その心理学的効果は実証されている。
見つめすぎ、凝視などはNGだが、「相手への自分の関心」を示すサインとして、上手に視線を交わすことで、距離感をぐっと縮めることができる。やり方としては、相手を認識した時点で、一瞬、ロックオンして、アイコンタクトを交わす。人と目を合わせるのはどうしても苦手という方は眉間に焦点を合わせてみよう。アイコンタクトは会話の大切な第一歩なのだ。
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