「コミュ障」が誰とでも仲良く話すための心得 「自分と話したがっているんだ」と思い込もう

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<5>本音は〇〇〇に表れる

アイコンタクトやジェスチャーなど、ノンバーバル(非言語)の要素のほうが、バーバル(言語)よりもはるかに雄弁に、気持ちが伝わりやすい。

目、口、手、肩、足、身体のすべての部分が、知らないうちに相手に対して、つねに何らかのメッセージを発信している。だから、アメリカではノンバーバルのコミュニケーション研究が非常に盛んだ。専門家がテレビに登場しては、政治家や芸能人のしぐさや表情を読み取り、その心証を分析している。たとえば、佐川氏の証人喚問などは、アメリカであれば、専門家が表情や体の動き、姿勢などすべてをチェックし、コメントしていたことだろう。

中にはそういった手法で「ウソが見破れる」と豪語する人もいるが、実際のところはそれほど容易なものではない。ただ、マイクロエクスプレッションといわれるちょっとした表情の変化を読み取ることに長けたポーカーのチャンピオンだった人が、ボディランゲージの専門家になっていたりして、なかなか面白い業界なのである。

「つま先を見ろ」

そんな専門家に弟子入りして、学んだ1つのスキルで印象に残ったのは、「つま先を見ろ」ということ。相手に興味があるような表情をしていても、足先が相手に向けられておらず、出口のほうに向いていたら、本音では「早く帰りたい」と思っているということだというのだ。

つまり、相手に興味を持ち、つながろうとするのであれば、頭の先からつま先までをきっちり相手に向けて対話をしろ、ということである。

いかがだろうか。「コミュニケーション道」は本当に奥が深い。そして、運動と同じで、練習をすれば、その力は必ずついてくる。「筋肉はうそをつかない」。マッチョ道を突き進む筆者のいとこがよく口にする言葉だが、「コミュ筋」も、あなたを裏切ることはない。コミュ力はまさに、「鍛えられる」もの。新年度というこの機会に、コミュ力のマッスルトレーニングを始めてみることをお勧めしたい。

岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師

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おかもと じゅんこ / Junko Okamoto

「伝説の家庭教師」と呼ばれるエグゼクティブ・スピーチコーチ&コミュニケーション・ストラテジスト。株式会社グローコム代表取締役社長。早稲田大学政経学部卒業。英ケンブリッジ大学国際関係学修士。米MIT比較メディア学元客員研究員。日本を代表する大企業や外資系のリーダー、官僚・政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチ等のプライベートコーチング」に携わる。その「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれる。2022年、次世代リーダーのコミュ力養成を目的とした「世界最高の話し方の学校」を開校。その飛躍的な効果が話題を呼び、早くも「行列のできる学校」となっている。

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