出身地のネタなども望ましい。同郷の人がいれば、仲良くなるきっかけにもなるし、場所によってはご当地ネタで盛り上がることもあるだろう。
一方、出身大学については言わないほうがベター。大学の難易度と、仕事ができる、できないは関係がないし、「大学時代を引きずっている新人」という印象を与えかねない。社会人としてのスタートの場なので、会社でイチから頑張っていくことを印象付けるためにも大学の話は持ち出さないほうが無難だ。
また趣味の話などでも、仕事にリンクさせられるような話ならOKだが、単に「麻雀に夢中な4年間でした」といった遊びだけの話は、避けたほうがいい。
緊張していれば句読点ごとに視線を移す
好感をもたれるあいさつのためには、できれば視線も意識したい。大勢の先輩たち全員の顔をいちいち見ながら話せば落ち着きなく見えるし、一人の顔をじっと見つめれば、見られたほうは落ち着かない。
「よくスピーチの本には、ワンセンテンス・ワンパーソンと書いてありますが、ワンセンテンスは意外と長いものです。そこで、句読点で次の人に視線を移すことをお勧めしています」(伊東氏)
大勢の人の前で話すのは、誰でも緊張する。だから、まず、自分の話を熱心に聞いている人を探そう。自分の話をちゃんと聞いてくれる人がいると、緊張がほぐれていくからだ。
その人を中心に句読点ごとに視線を移していく。再び緊張してきたら、また、その人に視線を戻す。その繰り返しで、続けていけば自然とみんなに配慮した好感度の高いあいさつになる。
歓迎会やランチ会では、あいさつの冒頭に、「今日は私(私たち)のためにこのような会を開いていただきありがとうございます」と、会を開いてくれたこと、または会に招いてくれたことへの感謝の意を伝えることが基本だ。その後は、あいさつと、名乗り、あいさつのサンドイッチの原則は、配属のあいさつと変わらない。
その後は、あいさつの持ち時間に応じて、自分のキャッチフレーズネタや名前の漢字ネタなどをコンパクトに、あるいはより詳しく披露するなど、配属のあいさつの内容をアレンジしていけばよい。
気を付けたいのは、先輩たちへの感謝の言葉だ。歓迎会やランチ会が開催される頃には、研修は一通り終わり、すでに仕事は始まっているだろう。
困った時に助けてくれたチューター役の先輩などに、感謝の言葉などを述べたくなるが、あまりに、その先輩のことばかり褒めていると、他の先輩たちはいい気分はしない。だから、「皆さまのお助けがあり、温かく見守ってくださったから、こうして楽しく仕事ができます」といった具合に、個人名ではなく、全員に伝わるメッセージを言ったほうがベターだ。
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