20代「共働き早婚」が30代婚よりお勧めの理由 リスクもあるが早めに一緒になるメリット大

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計算すると、「必要貯蓄率」は12.06%となります。今後、その時々の手取り収入に対してこの貯蓄率を守っていけば、老後の生活費は、たとえ100歳まで生きたとしても、毎月約43万9000円を確保できます。

また、今後の現役時代の生活費にも余裕が生まれます。2人になって収入が2倍になっても、生活費は2倍にはならないので、2人で稼ぐほうがずっと効率的なのです。「ガラス張り家計」にしてちゃんと管理をしていけば、貯蓄も結構速いスピードで増えていきます。

「共働き結婚」は「口説き文句」にもなる

実は、1000万円以上貯蓄をしている若い夫婦に聞いてみると、「結婚して貯金額が大幅に増えました!」と明るくおっしゃる方が多いのです。大きいのは家賃と食費です。独身時代とあまり変わらない家賃であれば、これまでかかっていた1人分に近い家賃を貯蓄できますし、特に男性は外食が減るだけでも、支出が減ります。

結婚をすると面倒なことも確かに多いし、他人と一緒に暮らすわけですから、互いに我慢しなければならないこともあるでしょう。しかし、経済的には断然メリットが大きいのです。もちろん、子どもができれば支出も大きくなります。しかし、妻も正社員のまま、2人で稼げば十分対処できます。もし、恋人が結婚に躊躇しているなら、「結婚して共働きをすれば、今よりずっと経済的に楽に暮らせるよ!」と言って口説いてみましょう。

2016年の国民生活基礎調査(概況)によると、共働き世帯の平均所得は、707万8000円となっています。1000万円以上の世帯も全世帯の約12%います。共働き家計は収入が多い傾向ですが、家庭経済的に気をつけなければならないのは、前回の記事「共働き『ブラックボックス家計』が危険な理由」でも指摘したように「家計をブラックボックス化しない」ことです。

しかし、「若い時の結婚」には、リスクがあることも確かでしょう。その1つが、性格の不一致です。「こんなはずではなかった」ということが起こるかもしれません。でも、もし不幸にも結婚生活がうまくいかなかったとしても、経済力さえあれば、解消して前向きに生きていくことができます。我慢して無理な結婚生活を維持するよりも、新しい人生を生きるほうが幸福度は高いでしょう。仕事を辞めずに経済力を維持することは重要なのです。

最後にぜひお伝えしたいのは、おカネとは、「安心」や「快適」や「便利」などを手に入れる単なる交換手段なので「できるだけシンプルに取り扱う」ということです。若いうちから、おカネの貯まる仕組みをしっかり作り、時間を味方につけて増やしていきましょう。おカネのことで悩むのは、人生の無駄です。時間も知恵も使うべき重要なことが今後の人生にはたくさん生じてきます。大切なあなたの人生を有意義に過ごすためにも、若いうちからのおカネの人生設計が大切なのです。

岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

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いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

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