嘘つきでないと「営業」は成立しないのか 顧客よりも会社を優先することの違和感
「営業」という仕事はジレンマの連続だと思います。会社から売り上げのノルマを課せられて、その上で自分が接した顧客の利益を最大化するよう努める。個人としては、どちらも良い方にいくことを願っていても、実際は会社からの評価を気にするあまり、顧客の利益の最大化には繋げられないことも多いのではないでしょうか。
そして時には顧客に対して嘘、もしくは不誠実な回答をすることで自分にとって有利な条件での契約に持ち込ませ、必要以上の請求をとって会社から評価を得る営業もいます。
こういう話を耳にすると、一体営業とはなんなのか、誰のために働いているのか、たびたび自分は疑問に思ってしまうのです。
営業をするには、嘘、もしくは不誠実な回答をして顧客をそそのかさなければならないのか。そうしなければ、利益を上げることはできないのか。
そんな営業のジレンマをマンガにした作品が、昨年「ビッグコミック」(小学館)にて始まりました。その名も『正直不動産』です。
永瀬は、嘘が上手くつけない正直営業で苦戦するが……!?
優秀な営業マンは嘘つきばかり?
この作品の主人公はとても優秀な営業マンでした。ただし、そのやり口はお世辞にもほめられたものでなく、顧客にとってまさに不誠実そのもの。
本来ならばクライアントにとってよりメリットのあるやり方をオススメせず、自分にとって利益の大きいやり方を勧めてそそのかし契約をさせるというやり方をとっていました。