悪条件でも「喜んでOK」させる巧妙心理テク 「一人芝居」「安い借り」に気をつけよ
さて、皆さんはこんなシーンに遭遇したことはないでしょうか。
共働きなのにいつも妻が夕食の準備をする家庭があった。妻はさすがに不公平だと思い、「土日の夕食準備はお願いね」と夫に言った。夫が「2日はちょっと無理だよ」と言ったところ、妻は「じゃあ、土日のどちらかで」と答えた。夫は仕方ないかと思い、「じゃあ、週末のどちらかの夕食準備はするよ」ということで話は決着した。
子どもを塾に入れようと考えていたとき3教科受講を勧められた。最初から複数の受講はリスクが高いので「とりあえず1教科から」と言ったところ、「本当は複数教科のほうがお得なのですが、特別に1教科からにしましょう」と言われ、「その代わり、通常は1カ月からのお申し込みなのですが、3カ月分の申し込みでよろしいでしょうか」と言われ、承諾した。
これらはありがちなシーンですが、共通するテクニックが使われています。
相手に「喜んで」条件を飲んでもらうコツ
ここで注目すべきは「返報性」です。人間は他人に借りがある状態を心地よく感じないので、何らかの借りがある場合、その借りのある状態を解消すべく、相手の頼み事を聞いてしまいやすくなるという心理的な性向です。
先のケースを見て、「別に『借り』なんてないのでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかしそうではないのです。
返報性の怖さのひとつは、その借りが実体を持つ必要はなく、心理的に「借りがある」と思ってしまうだけで、返報性が発動してしまうという点です。
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