福井信英
2009年卒の大学生を対象とした採用活動は、バブル期以来と言われる、学生の「売り手市場」で終了した。
10月1日には、2010年卒の学生を対象に、リクナビ・マイナビといった求人広告媒体が一斉オープンしたが、2010年卒の新卒採用市場はどうなるのか。
正確な結果は新卒採用活動の全体像が見え始める来年の4~5月頃の大規模調査を待つ必要があるが、採用活動の現場に身を置いているものの直感としては、「就職環境の悪化」「売り手市場の終焉」が2010年卒の新卒採用を表すキーワードになるのではないかと感じている。
ここに、いくつか私が知っている事実を並べてみる。
1)サブプライムローン問題に始まる金融不安から、外資系金融機関及び新興不動産企業を中心に採用縮小・凍結の動きが5月以降急激にめだつようになった。
2)団塊世代の退職に伴う一時的な雇用ギャップが、ここ数年の採用拡大によってほぼ調整され、企業の新卒採用数が落ち着きを見せている。
3)2~3年前の採用活動で数百人~千人単位で新卒学生を採用し、求人倍率押し上げの中心となっていた新興企業のいくつかが、廃業に追いやられたり、事業活動・就職活動の縮小を行っている。
4)中小規模の専門商社・メーカーなど、景気による影響を受けやすい業界で、景気の先行き不安を見越して、採用人数を過去2~3年と比較して縮小する企業が増えている。
以上は採用活動を行う企業で発生している現象だ。1~3は直接的な原因で採用人数が減少している例だが、これから採用活動の検討・最終意志決定をする企業には、4のような企業が増えてくることだろう。2)団塊世代の退職に伴う一時的な雇用ギャップが、ここ数年の採用拡大によってほぼ調整され、企業の新卒採用数が落ち着きを見せている。
3)2~3年前の採用活動で数百人~千人単位で新卒学生を採用し、求人倍率押し上げの中心となっていた新興企業のいくつかが、廃業に追いやられたり、事業活動・就職活動の縮小を行っている。
4)中小規模の専門商社・メーカーなど、景気による影響を受けやすい業界で、景気の先行き不安を見越して、採用人数を過去2~3年と比較して縮小する企業が増えている。
また、1~4の結果として、求人広告媒体を扱っている代理店のうち、販売状況が予定を下回る会社が増えてきているようだ。取扱高が多かった代理店に関しては、業績に深刻なダメージを受けているところも多いと聞く。
以上のような事実から、私は2010年卒の新卒採用のキーワードの一つが「売り手市場の終焉」になるのではないかと考えた訳だが、個人的には「個へのフォーカスの時代」がキーワードになって欲しいと考えている。
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