「マネジメントに興味なし」は無気力なのか 出世を望まない若手社員が考えていること
これまで述べてきたように、時代的にプレイヤー志向の人が増えていることと、そもそも若手がマネジメントという職務に興味を持つのはやや早いという理由で、「マネジメントに興味がない」という発言や状況が現れるのでしょう。しかし、20代の若者も、時が経てば、我々オッサン世代になっていき、プレイヤーの環境整備や後進の育成などの「世話」をする、マネジメントの立場に関心を持つようになるはずです。
また、プレイヤーをずっと続けていたくても、身体的な衰えや、老化などの不可避なものによって、マネジメント側に立たないと居場所がなくなるということもありえます。さらに、いくらプレイヤーの時代といっても、マネジメントが全く無用になることもないでしょう。
むしろ、自律的で自由人なプレイヤーたちが増えれば増えるほど、彼らをマネジメントできるスーパーマネジャーの価値はむしろ上がっていきます。Googleのような企業でも、エリック・シュミットというスーパーマネジャーを迎えたことは象徴的な事例だと思います。これは極端な例としても、今は「マネジメントに興味がない」と若者が思っていたとしても、プレイヤーを続けられなくなったときに本人の気持ちも変わっていくのです。
まずは「タスクマネジメント」からやらせてみる
「生涯現役」という言葉もありますし、ずっとマネジメントなどしなくてもよい業態や仕事もあることでしょう。一生プレイヤーをしたいと思い、それができれば幸せなことです。何も言うことはありません。しかし、現実的には上述のように、いつかは今の若者もオッサンになり、プレイヤーとしては衰え、マネジメントを期待されるようになっていきます。
ところがマネジメントも専門スキルですから、その時になっていきなりできるものではありません。ですから、若手が「やりたくない」と言ったとしても、少しずつ、だましだまし、マネジメントの仕事をさせてあげるのも親心というものです。
マネジメントと一言で言っても、タスクマネジメント(仕事やプロジェクトのマネジメント)とピープルマネジメント(字義どおり、人のマネジメント。育成やキャリア指導など)に分かれますが、前者であればまだ精神的な発達課題がついていっていなくともできるはずですし、抵抗感もないのではないでしょうか。嫌がられても、マネジメント機会を与えてあげるのは、オッサン世代の良心です。
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