51歳、栃木で「生姜の展示館」作った男の稼業 「岩下の新生姜」はだから若者にも愛される

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施設は話題になり、2年半で25万人が来場した。旬刊旅行新聞の選ぶ「プロが選ぶ 観光・食事・土産物施設100選」に2年連続で選ばれた。

「お客様を呼び込むまでは奇抜性が大事ですけど、いったん来たお客さんに『良かった』と言ってもらったり、再び来てもらったりするにはそれだけではダメですね。大事なのは来場していただいたお客様に、いい気持ちになってもらうことです。かわいい、たのしい、うれしい、そういう気持ちになってもらいたいですね」

入場料は無料なので、収益は売店とカフェだけである。もちろん黒字には至らない。

ピンク色のグランドピアノが設置されたステージ(筆者撮影)

社長が好きなミュージシャンや関連のあるミュージシャンのライブイベントも不定期的に開催されているが、こちらも無料である。ミュージシャンにはギャラはきちんと支払っているため、会社持ち出しのイベントになる。

「そもそも、恩返ししたいと思って作った施設ですから採算は度外視しています。

気持ち良い思いをして帰っていただいて、日々のお買い物の中に岩下の新生姜を加えていただけたら何よりありがたいですね」

あくまで客を大事に

実際に宣伝効果は出ているようで、岩下の新生姜の売り上げは2年連続で2ケタ成長している。

また九州地方など今までは食べられなかった地域でも商品が入るようになったという。

売店(筆者撮影)

商品の知名度が上がった結果「安ければ良し」という価格競争から免れることもできている。

あくまで客を大事にし、客に恩返しをすることで結果的に収益を上げる。

岩下社長の優しい宣伝方法が成功しているのだ。

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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