「北朝鮮への経済制裁」現地で見えた真の影響 現地エコノミストが明かす変化と経済の展望

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ただ、北朝鮮の外では、「重油が手に入らず、生産体制にかなりの支障を来している」(北朝鮮と取引する中国人ビジネスマン)という話もよく聞かれるようになった。重油が供給されない、供給されても「中国での購入価格の2倍」など高すぎて買えないという状況が続いているという。また、2013年に北朝鮮が制定した経済開発区も、当初は中国企業などが投資を行い運営しようとしたが、その後の投資が経済制裁で厳しくなり、外国企業が撤退した経済開発区もあるという。

北朝鮮は経済の現状をどう見ているのか。平壌で朝鮮社会科学院経済研究所の李基成(リ・ギソン)教授から、北朝鮮経済の現状や経済制裁について聞いた。李教授は、北朝鮮を代表するエコノミストだ。

最も影響を受けているのは4分野

――国際的な経済制裁は北朝鮮経済にどのような影響を与えているか。

李 基成(以下、李):影響は当然ある。最も影響を受けているのは、「貿易取引」「金融」「投資」「科学技術」の4分野だ。

李基成教授(記者撮影)

まず、貿易取引では、自国になく、かつ必要なものが入ってこなくなった。自立経済を目指すとはいえ、国内で不足しているものはある。特に燃料関連品だ。原油はまだ入ってくるが量は少なくなった。ガソリンの供給状態も厳しい。コークスも入らなくなった。自国(北朝鮮)からの石炭の輸出も厳しくなった。

石炭の輸出はもともと外貨収入がほしいから輸出していたわけではない。質の良い石炭を求める需要があったために輸出していた。この輸出で得られた外貨は、炭鉱の生産に必要な生産設備の部品などを買うために充てていたが、これら部品なども制裁の対象になってしまった。

次に金融分野では、対外決済ができなくなった。第三国を通じた決済も、制裁による圧力強化で難しくなった。金融取引全体に負担が重くのしかかるようになった。

投資について言えば、海外からの投資受け入れがどのようになるか不透明になってきた。2013年から22カ所の経済開発区を設立したが、ここへの投資が制限されている。経済開発区の設置は、国内外からの投資で経済の活性化を図るためだったが、外部からの投資がほとんど来なくなった。投資はゼロではない。一部サービス業関連への投資はあるが、ほとんど投資が来なくなったと言ってもよい。

これについて金・委員長は「自分たちの資金で投資していこう」という方針を立てた。その一例が、元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光特区だ。ここには2~3年前からインフラへの投資は進められてきたが、これからはホテルなどの施設関連への投資・整備を進めていくことになる。

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