昨年(2018年卒)の実績でみると、ESの提出締め切りは3月末に集中していたが、今年(2019年卒)のピークは、3月末あるいはそれよりも早まると見られている。減少傾向にあるとはいえ、ESの平均提出社数は15.82社(就職みらい研究所『就職白書2018』より)と、なお高水準。3月中には、プレエントリー登録や説明会の参加もあるので、同時進行でESを書いていく必要がある。
「自己PR」や「学生時代に力を入れていたこと」は、履歴書やESである程度共通している項目だが、「志望動機」はそれぞれの企業に向けてのメッセージになる。それは全て共通というわけにはいかない。企業研究や業界研究ができていなければ、書くこともないという事態すら考えられる。
志望動機を書くためにも企業研究は大切
よくある誤解2 「会社説明会で聞いたことを書いたESは人事に好まれる」
毎年多くの学生と接しているが、企業の採用情報サイトにある「希望する人材」や「社員のキャリア紹介」などからコピペした志望動機を提出する人が残念ながら、散見される。
またESの書き方講座では、「説明会で『やりがいについて教えてください』と質問して志望動機を書く参考にする」ことが、しばしば推奨されている。技術的には一理あるかも知れないが、これも誤解を生みやすい都市伝説の一種だ。決して、聞いたままを書けばよいという意味ではないことを、知っておいたほうがいいだろう。実際に人事担当者から「サイトのコピペ、説明会コメントの完コピ」に対するため息が多く出ている。
サイトの情報や説明会の話を手掛かりにするのは、とても有意義で重要なこと。ただ、そこから自分が感じたこと、考えたことを、見落とさないでほしい。感じたこと、考えたことこそが、書くべき志望動機のヒントになる。
さらに言えば、今からでも時間を作って業界研究、仕事研究を進めるのが一番だといえる。志望動機は面接では必ず出てくる質問事項で、誰でも準備しておくことができる。たとえ、その企業の面接に進まず別の業界に就職したとしても、他業界や他社について一定の理解と知識をもっていれば、大きな強みになるはずだ。
就活プロセスの最後の山場が面接。ここでもピークの早期化が予測されている。本来、面接選考解禁は6月1日だが、その時点ですでに内々定が出ているケースも少なくない。
連日のように面接に臨み、早い企業だと、その日のうちに結果を連絡することもある。不採用通知を受け取ることもあるだろう。
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