企業情報の提供や個別アプローチも早々に始まる。中には事実上、開始している企業もみられる。インターンシップを通じて自社に興味を持った学生に、インターンのフォローアップを兼ねたイベントを開いたり、OBやOGを通じた企業研究のサポートを行っていたりする。目標とする人数の新卒採用を確保するため、解禁と同時に会社説明会に学生を呼び込む動きは、加速度的に増えていくと思われる。
ではそうした中でどんなことが起こるか。
まず最も特徴的なのは、インターンシップを通じ自社への理解を深めた、いわば「話が早い」学生へのアプローチ。こうした活動を行う企業は現状でも少なくない。
2018年卒の場合、インターンシップを実施した企業の82.0%が参加者に企業説明会を案内。ESの提出や適性検査の受検を促すなど、何らかの採用につなげる活動(予定含む)をしている企業は、72.5%に達している(リクルートキャリア『採用活動中間調査2018』より)。
採用意欲は高く、3月以降の選考ももちろん重視
よくある誤解1「インターンシップ参加者で採用枠がほぼ埋まる」
そんな中、インターンシップ参加学生へのアプローチがあることから、「インターンに参加した学生は優先的に採用される」という話がまことしやかにささやかれている。
しかし、これはインターンシップに参加した学生は、結果として参加企業への応募率が高くなることが原因。実際に61.8%の学生がインターンシップ参加企業にプレエントリーしており、その結果、マッチングも多くなっているというのが実態だ。
インターンシップ実施企業は年々増え、2018年度は73.7%が実施している。しかし、通常業務の中で学生を受け入れるには、人員などの体制やスペース的にも限りがあり、インターンシップの参加者を絞り込む必要がある。また、学生がインターンシップに参加できる期間や日程に限りがあることは、企業も十分承知している。
空前の売り手市場で、自社の次代を担う若手への採用意欲は極めて高く、企業は1人でも多くのよい人材に巡り合いたいと考えている。そんな企業が「就活本番」の3月からのタイミングを軽視することは考えにくい。つまり、インターンシップの参加者のみから採用数の全てを満たすような戦略をとる企業など、ほとんどないといってもいいだろう。
もちろんインターンシップは、社会を知り、企業活動を知り、自分の適性を知るためにも積極的に参加したほうがよいのは確か。一方で、インターンシップの選考にもれても、インターンシップを受けていなくても、志望先から外す必要はまったくない。逆にインターンシップに参加したからといって、安心してしまうのも禁物だ。その後の自己研鑽を怠れば、ESを提出しただけで終わってしまうこともある。
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