最後に、図鑑を選ぶときの注意点について触れたいと思います。図鑑を選ぶときは、「子どもが喜んで読めるもの」を基準にすることが最優先です。その点、テーマ型図鑑はもともと多くの子どもが興味を持つテーマを選んでつくってあるのでお薦めです。また、博物型の図鑑を選ぶときは、子どもが昆虫が好きなら昆虫図鑑、恐竜が好きなら恐竜図鑑ということになります。
親御さんの中には、恐竜は学校の勉強に出ないから必要ないと考える人がときどきいます。でも、本人が恐竜が好きなら、ぜひ恐竜を深めさせてあげてください。もともと好きなことなら喜んで読みますし、知識もどんどん吸収します。すると、そのことが誰よりも好きで得意になります。これによって、自分に自信を持てるようになりますし、自分が好きなものを深めていく喜びを味わうこともできます。
ですから、昆虫が好きな子には、「もう昆虫図鑑はあるから別の図鑑にしなさい」などと言っていないで、他社の昆虫図鑑も2冊、3冊と買い揃えてあげるといいと思います。同じ昆虫図鑑でも、出版社によってかなり違う仕上がりになっています。ですから、新しい知識が吸収できて、ますます深めていくことができます。また、子どもは、複数の図鑑を読み比べることで新しい発見をしたり、ときには説明の違いや矛盾点に気づいたりすることもあります。これは子どもにとって大きな喜びになります。
図鑑選びのポイント
図鑑選びで親がよくやりがちな失敗は、「長く使ってほしい」という考えから、わが子のレベルを越えた難しいものを選んでしまうことです。これだと、子どもが読んでもよくわからないので「つまらない」と感じるようになり、自ら手に取ることはなくなります。それで、図鑑は買ったけど、ずっときれいなままだったということになりがちです。
そうではなく、毎日手にしてボロボロになるくらい使い倒すことが大事です。年中・年長~小学低学年くらいでしたら、タイトルに「プレ」「ジュニア」などとついている図鑑を選ぶようにしましょう。もちろん、おカネのかかることですから、いきなり買うのではなく、はじめは図書館で借りて、気に入った物を買うという方法もいいでしょう。
ということで、親子で「図鑑のある生活」を楽しみながら、わが子が自然に「勉強好き」になるようにしてあげてください。そうすれば、「勉強しなさい」と言わなくてもすむようになります。
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