これまで日本の卓球界を40年も支えている国内最高峰の日本リーグとの共存もまた不可欠である。Tリーグはリーグ開幕に向けて日本リーグへ参加打診をしているが、2020年まで日本リーグを継続予定で正式な参加は2021年となる見通しだ。
女子の日本生命は日本リーグから離れTリーグへの参戦表明をしているが、日本リーグとTリーグが互いに協力することでより高いレベルのリーグとなれば卓球界全体が盛り上がるはずだ。2021年以降も期待をしたい。
「卓球の最近の盛り上がりが凄いので、少しでも沢山の人にTリーグを知ってもらうためにも地域に根差した企業活動を行っていく必要があります。Tリーグを通じて何かできないかということで参加をしています。やるからには全力で協力したいです。」と参入チームの関係者は言う。
多少見切り発車的なところもあるかもしれないが、日本人選手のリオオリンピックなどでのメダル獲得ラッシュや東京オリンピック・パラリンピックに向けての流れを考えると今がまさにチャンスである。
今後の展望はどうなるのか
Tリーグは理念で掲げているように、世界ナンバーワンの卓球リーグの実現を目指している。そのためには世界トップクラスの選手たちが参戦するのはもちろんのこと、チーム関係者、観客、ファンなど多くの人を巻きこむことが必要であるし、どこまで卓球ブームに火を付けることができるのか注目したい。
トップ選手の参戦を起爆剤に、将来的にはTリーグと参入チームが関わる自治体、地域と連携を組み、社会貢献活動や卓球教室の開催などを通じて卓球に興味を持つ機会を増やすことができれば、固定ファンを獲得して老若男女どの世代もが楽しめる卓球環境となるはずだ。
「卓球は健康的なスポーツであります。卓球をやることにより動体視力を養い脳の神経が発達し反応が速くなります。ボケの防止にもなり、足腰を鍛えて動くので非常に健康です。現役選手で最高年齢が93歳の方もいますし、卓球を国民的スポーツにしたいですね。」と藤重理事長が説明するように、卓球の普及が成功すれば健康寿命の延伸が期待され豊かな人生を楽しむことも可能となる。
Tリーグが開幕する10月まで時間はない。各チームの選手決定、試合会場選び、観客動員、リーグスポンサー獲得、テレビ中継、地域貢献事業など解決すべき課題がまだまだ多いように思えるが、松下氏の表情は明るい。
「Tリーグは開かれたリーグなので、日本リーグと一緒になって盛り上げていけると良いですね」(松下氏)
日本卓球界で初めてのプロ選手となって海外のプロリーグで戦ってきた1人の侍は、日本が世界一の卓球大国となるための道筋を作り、挑み続けている。
Tリーグ成功の鍵は、松下氏の腕に掛かっているといっても過言ではない。
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